【Y32型】1991年6月〜
1991年、Y32系にフルモデルチェンジ。新規に開発されたのは4ドアハードトップのみで、全車3ナンバーボディ。先代に続きグランツーリスモとブロアムの2シリーズを展開する。グランツは丸目4灯ヘッドライトを採用してスポーツ感をさらに強め、高級志向のブロアムはメッキパーツを多用するなど、外観でそれぞれの個性をさらに強めている。
エンジンは当初3リッターV6のターボとNA、そしてディーゼルを設定。後期型で経済的な2リッターV6のNAが追加された。ターボエンジンは初代シーマに搭載していたDOHCのVG30DETを採用。同じ時期にフルモデルチェンジしたライバルのトヨタ・クラウン(14系)が不評だったため、販売台数では大きく差を付けた。
【Y33型】1995年6月〜
その次の型となるY33系は1995年に登場。セドリックは9代目、グロリアはついに10代目となった。ボディはひとまわり大きくなって迫力が増し、グランツは引き続き丸目4灯ライトを採用。後期型になると顔面の意匠が大きく変わり、より鋭い目つきとなった。ブロアムは角型のライトと繊細なメッキグリルで高級感を演出。このライトはマイナーチェンジにより、煌びやかなマルチリフレクタータイプに変更された。
エンジンは一部グレードを除き、新開発のVQ型を搭載。シリンダーブロックの素材をアルミに変更して軽量化を実現し、3リッターターボのVQ30DETは270馬力を発生した。後期型から2.5リッターのVQ25DEが追加。4WD車には直6のRB25DETが搭載された。
【Y34型】1999年6月〜
1999年にフルモデルチェンジしたY34系は、それまで長く続いていたグランツーリスモとブロアムの2グレードを廃止。代わりにセドリックはブロアム、グロリアはグランツーリスモの個性を内・外装の質感で表現して、「1ブランド1モデル」という戦略にシフト。
ただしグロリアは、その後一部のグレードにグランツーリスモの名を再び用いている。スタイリングはそれまでのイメージを覆す、「世代を飛び越えた斬新なデザイン」に挑戦。デビュー当初は賛否両論あったが、マイナーチェンジでアクの強さが若干和らいだ。
エンジンは燃費と出力の向上を両立した直噴技術を新たに採用された。Y33系に続いて採用したVQ30DETはタービンや点火時期を見直し、最高出力が280馬力に向上した。ミッションは4速ATの他、3リッターターボ車に新開発のエクストロイドCVTが追加された。従来のベルト方式ではなく、ディスクとローラーの組み合わせで動力を伝達して滑らかかつ力強い加速を実現。しかし故障が多く修理費も高いことから、モデル末期の2004年4月に廃止となった。
2004年10月にデビューしたフーガ(Y50系)が後継モデルとなり、2014年まで生産されたセダンを残して長く続いたセドリックとグロリアの時代は一旦幕を下ろした。
しかし振り返ってみると、どのクルマよりも先に最先端の技術や装備を導入していたセド&グロの貢献度は、かなり高いことがわかった。もちろん日産の現行高級セダンもモデルサイクルが長いとはいえ、安全装備の充実など少しずつ進化を遂げている。次の大きな一手に期待したい。