「減速方法」をマスターすればワンペダルだって苦にならない
発電した電気は、車載のリチウムイオンバッテリーに充電される。
エンジン車の運転に慣れた人は、アクセルペダルをパッと素早く戻してしまいがち。それだと、回生が強く効きすぎて減速が強まってしまう。そこで、止まりたいところへ向かいながら距離を目測し、ゆっくりアクセルペダルを戻す練習をする必要がある。しかしこれも、意識しながら5~10分も運転すれば身に着く。左足ブレーキの記事で、高齢になったら新しい操作をするより慣れた捜査をしたほうがいいと述べたが、左右の足の使い方を変えるのではなく、右足のアクセル操作の戻し方だけを習得する話なので、それほど難しくはない。
こうして、アクセルペダルの操作だけで発進・加速から一定速度で走ったあと、減速・停止するまで、アクセルペダルだけでクルマを走らせられるようになる。日産によれば、この操作を身に着けることでアクセルとブレーキのペダル踏み替えを7割ほど減らすことができるという。慣れた人なら、9割まで減らせられるとの声もある。
もし、急減速が必要な緊急時は、アクセルペダルをパッと素早く戻すだけで(アクセルペダルから右足を離すだけで)強い回生により急減速できる。そこからブレーキペダルへ踏み替えるまでの1秒前後の時間に速度をわずかだが落とすことができる。ここで、少し気持ちも落ち着けるのではないか。
一般的にペダル踏み替えの時間は、0.7~1秒といわれている。たとえ1秒かかったとして、時速30kmで走っているときには8.4m近く先へ進んでしまう。ここで、回生により多少なりでも減速できれば、衝突を回避できるかもしれない。
ペダル踏み替えの機会を減らすことは、踏み間違いの可能性を減らせられるし、モーター駆動により回生を活かせれば、衝突の危険も減らせられるかもしれない。高齢者になるほど、ワンペダル操作のできる電動車を運転することが、安全につながるといえる。そのためにも、ワンペダル操作のできる安価な電動車、たとえば軽自動車のEVが早く売り出されることが重要だ。なおかつEVなら、燃料代(電気代)はガソリンより安上がりでもある。