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「買える」本物の「国産スポーツカー」! 走りも衝撃だった初代フェアレディZとは

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: 富士スピードウェイ、日産、Auto Messe Web編集部

2000GTと比べて154万円も安かったフェアレディZ

 フェアレディZは排気量2リッターの直列6気筒ガソリンエンジン(OHCのL20型)を搭載し、ほかにスカイラインGT-Rに搭載されたDOHCエンジン(S20型)搭載車もあった。これをフェアレディZ432という。432とは、4バルブ、3キャブレター、2カムシャフトを指す。米国など海外へは、2.4リッターエンジン車が導入された。

 1967年にトヨタが発売した2000GTは238万円もしたが、フェアレディZはもっとも廉価な仕様で84万円、5速マニュアルシフトとなるZLで105万円、Z432でも182万円で、2000GTと比べ56万円も安かった。それでも、当時はなお高根の花ではあったが、雲の上ほど遠くはない、自分と無縁とは思わせない近さをZが伝えたのは事実である。日産ヘリテージコレクションに展示されている初代Z

 実際、学生時代の友人は新車でフェアレディZLを親に買ってもらった。そして幸運にも、運転をさせてもらえる機会を私は得たのである。友人と二人で向かった先は富士スピードウェイであった。1000kmの耐久レース観戦だったが生憎の雨模様で、レース展開はトヨタセリカターボが悠々と、そして淡々と先頭を走り続け、単調にもなっていた。1971年の富士1000kmレースに出場していたセリカターボ

 6時間にも及ぶレースの合間に駐車場に止めたZLの運転席で、私は助手席に友人が眠っているのを知ってヒール・アンド・トゥの練習をしていた。しかし友人は途中で目を覚ましていたらしく、「止まっているクルマでヒール・アンド・トゥの練習をした」と、あとで笑われた。フェアレディZのシフト周り

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