失敗しないために知っておきたい4つのこと
塗装よりも手軽に愛車のイメージを変えることができて、もし飽きたりしたらいつでもノーマルに戻せるのがラッピングカスタムのメリット。ルーフやボンネットなど、ボディの一部なら価格も手頃で、ドレスアップに取り入れている人も多い。
ただ、何も考えずに施工してしまうと、後悔する可能性があることも事実。ここではラッピングについて、正しい知識を学んでおこう。
(1)必ずクルマ専用の素材を使用すること
まずは施工に適したフィルム(ラッピングシート)だが、必ず自動車用をチョイスしてもらいたい。市販されるフィルムには看板用もあり、糊(のり)の強度が異なってくる。
自動車用は剥離も考慮した設計だが、看板用は糊が強力で、剥離の際に糊が残ったり車体の塗装が損傷してしまったといったトラブルが発生しやすい。特に再塗装部分やフェンダーエッジなどの端部は塗膜が弱いので、元に戻すことを考えるならシッカリ吟味して施工しよう。
気になるラッピングの施工費用については、単色系の基本的なフィルムだとすると左右ドアミラーだけなら2〜3万円ぐらい、ルーフやボンネットはそれぞれ5〜10万円ぐらい、まるごと1台分のフルラッピングだと40万円ぐらいからが相場となっている。
(2)洗車は機械を避けて原則手洗いで
そしてフィルム施工をしたらそのまま貼りっぱなしでOKという訳ではなく、当然通常のボディと同じようにケアしてあげる必要があり、いくつか注意したいポイントがあるので見ていこう。まず貼った直後は糊が定着していないため、丸1日は洗車しないこと。できれば数日はそっとしておくのがベターだ。
普段の洗車については、フィルムは塗装よりも柔らかくてデリケートなので手洗いするのが必須。洗車機の回転ブラシや高圧洗浄機の水圧はフィルムの損傷や剥離の危険があるため、絶対に避けたい。
(3)マット系カラーは細心の注意を
ワックスやコーティングについては、対応するケミカルを使用するのは問題ないが、マット(ツヤ消し)系カラーのフィルムに関しては基本的に使用不可となる。一部の製品やワックスinシャンプー程度ならOKという情報もあるが、水分が乾燥する際にムラになりやすいため、細心の注意をもって施工してもらいたい。
ちなみにマット系カラーは手垢も目立つため、日常ユースで美しさを保つのは大変。走行によりタイヤワックスが飛散してシミになるというケースもあるので、さまざまな注意が必要となってくる。
(4)フィルムの耐用年数は3年前後が一般的
そしてラッピングしたはいいけど、飽きたり、車両の売却時にフィルムを剥がす必要があるというケースも出てきたりすると思う。元に戻す(剥がす)タイミングについては、一般的にフィルムの耐用年数は3年前後と言われている。
もちろん、クルマの保管状況によって大きく左右されるのだが、青空駐車のルーフやボンネットであれば劣化が早いのは当然のこと。フィルムが劣化すると糊残りやシート破断によって剥離作業が大変になるので、貼りっぱなしは厳禁ということを覚えておきたい。
予備知識として、もしラッピングを剥がすのであれば、季節は夏の時期に実行するのがオススメ。気温が高ければ糊が柔らかくなり、ボディから剥がしやすくなるためだ。
近年はフィルム素材が進化し、塗装よりも魅力的なカラーリングもあってドレスアップシーンが盛り上がっている。正しい知識で美しさをキープし、楽しいカーライフを満喫してもらいたい。