4ナンバーがレース不向きとか誰が決めた? 最速営業車を決める「プロ/サク選手権」のベース車が凄い!
クルマ好きの中では、MT車こそ操作する悦びが味わえると考える人は多い。そんなユーザーのために、今もスポーツカーを中心にMT車がラインアップされているが、気軽に購入できる価格帯ではないのが現実だ。
そこで注目されるのが、根強くMT車が支持されてきた4ナンバーの営業貨物車。最近こそ新車でMTを選べない車種もあるが、少し前まではフツーに販売されていたため、安くて楽しめる中古の4ナンバーMT車が市場にゴロゴロ出回っている。その中でも、特に人気なのがトヨタの旧型プロボックスとサクシード。
この2台は販売チャンネルの異なる兄弟車で、フェイスとリヤゲートが異なる以外はまったくの共通。プロボックスがカローラ・バン、サクシードがカリーナ・バンの後継と若干のグレード差はあったものの、実質の中身は同じといえる。
2015年にスタートしたワンメイクレースがきっかけで注目
プロボックスとサクシード(以下、プロ/サク)が注目されるきっかけとなったのは、2015年からスタートしたワンメイクレースの「全日本プロ/サク選手権(通称:JPSC)」。
チューニング専門誌の「オプション」(株式会社 三栄 発行)が業界を巻き込んでムーブメントを起こし、安くチューニングやモータースポーツが楽しめるベース車として知られるようになった。今も各地でシリーズ戦が開催され、チューニングパーツも充実してきている。プロ/サクがフィーチャーされた理由は、ベース車の安さはもちろん、ズバリその素性の良さだ。
プロ/サクのFFプラットフォームは当時のヴィッツ系がベースとなっており、エンジンやフロントまわりの設計は共通点が多い。搭載する1500ccの1NZ-FEエンジンはヴィッツ1.5RSと同じことから、流用できるチューニングパーツは豊富に選べる。
ヴィッツ以外にもプラッツ、ファンカーゴ、bBなど多くの車種に同一エンジンが搭載されていたため、市場に流通する中古パーツも潤沢。エンジンパーツなどのメンテ費用が抑えられるのも大きなメリットだ。そして何より嬉しいのは、車体が1000kgチョイと軽量なこと。大きめの軽ワゴンに1500ccエンジンが載っていると思えば、MT操作を駆使して十分に楽しめることが理解できるだろう。