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存在自体が「奇跡」の生きた「化石」! レトロすぎる「新車」5+1選

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TEXT: 工藤貴宏  PHOTO: Auto Messe Web編集部,MAZDA,UAZ

コロコロ変わっちゃいけないのです

 かつては4年サイクルが主流と言われた国産車のモデルチェンジサイクルだが、最近は伸びつつあり5年や6年というのも一般的だ。しかし、それはあくまで日本の常識。世界にはもっと長くモデルチェンジせず、生きた化石のように生産されているモデルもあり、クラシカルなデザインはある意味魅力的。今回は、そんなクルマを紹介しよう。

1)ラーダ・ニーヴァ

 ロシアの自動車メーカーである「アフトワズ」が「ラーダ」ブランドで販売している全長3.7m~4.5mのコンパクトSUV。1977年と40年以上前に生産が始まり、フルモデルチェンジすることなく作り続けられている。ラーダ・ニーヴァ

 そんな長寿命とクラシカルなスタイルからは意外だが、車体構造はフレーム式ではなくモノコックと今どきのSUVのトレンドを先取りしているのが面白い。駆動方式はフルタイム4WDだがセンターデフロック付きで、意外に悪路走破性も高い。

 日本への正規輸入はないが、こんなクルマが今でも新車で買えるなんて奇跡と言っていいだろう。ちなみにメーカーの「アフトワズ」はロシア最大の自動車メーカーであり、2014年にはルノー・日産がその経営権を取得している。

2)ワズ・バン

 同じくロシアの自動車メーカー「ワズ」が製造販売している「バン」のデビューはなんと、ニーヴァよりも前の1958年。なんと60年以上の歴史を誇るシーラカンスのようなモデルだ。ワズ・バン

 車体は全長4.3m×全幅1.9m。現在、新車並行輸入として日本で販売されているモデルの多くは2.7Lのガソリンエンジンを搭載している。駆動方式はパートタイム4WDで、軍用車両をルーツとするだけあり頑丈さと悪路走破性の高さが自慢。パワーステアリングやクーラーも設定されているのは、クラシックで無骨な見た目からはどう考えても意外だ。

3)ワズ・ハンター

 メルセデス・ベンツ「Gクラス」やランドローバー「ディスカバリー」がついにモデルチェンジして今どきのクルマとなってしまったいま、注目したいのが「ワズ・バン」と同じワズ社が生産しているSUVの「ハンター」。ワズ・ハンター

 ルーツは軍用車両として1972年に発売された「UAZ469」で「ハンター」その民生用改良版だ。つまりGクラスやディスカバリーと同じ背景で生まれたモデルある。それゆえに悪路走行性能の本格派だ。

 並行輸入車として日本でも手に入れることができる。

4)マヒンドラ&マヒンドラ ロクサー

 単にクラシカルというだけでなく、ジープにそっくりなことでも驚く「ロクサー」。インドの自動車メーカーである「マヒンドラ&マヒンドラ社」のクルマで、いまでも現役。2019年にはアメリカ・デトロイトで開催されたモーターショーにもブースを出展したが、「衝突基準を満たさないのでナンバープレート取得は不可。私地などでバギーとして乗り回すクルマ」という扱いだった。

 実は、ジープに似ているのは単なる偶然ではない。1940年代に(ジープの商標を持っていた)ウィリス社からライセンスを取得した、正規のソックリさんなのだ(かつての三菱ジープと同じ扱い)。だから丈夫さや悪路走破性は本物。マニアにとってはたまらない1台である。

 しかしながら、アメリカへ輸出しようと動いたことをきっかけに、状況は思わぬ方向へ。今現在ジープの商標を持つ「FCA」からはアメリカへの輸入差し止めを求められたのだ。米国連邦裁判所はその訴えを認めている。

5)……そして我らがランクル70

 実は、日本車にも35年以上作り続けられている現役のモデルがある。トヨタ「ランドクルーザー70」だ。

 デビューは1984年11月。2004年に日本での販売をいったん終了したが、海外向けには生産を継続。2014年から15年にかけては日本でも販売が復活し、想定を超える車両が販売された。ランクル70

 驚くことに、そんなランクル70は現在でも海外向けに生産が続けられていて、一部地域では手に入れることができる。悪路走破性の高さに加えて電子制御を最小限としたシンプルで頑丈、そして壊れても修理しやすい車両として一定のニーズがあり、ランクル70に代わる車両がないというのが長寿の理由である。法適合の兼ね合いもあるのだが、本国であり生産拠点にもなっている日本で手に入らないのはなんとも残念だ。

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