当たり前の話だが快適に車中で寝られる環境作りが大事!
最近のアウトドアブームは、今までアウトドアに興味のなかったユーザーを取り込む勢いで広がりを見せている。キャンプ場などでテントを貼ったり、コテージを利用したりするのがメジャーだが、昨今のコロナ禍では周辺の密を避けるべく気配りしなければならない状況が続いている。そうしたなか、屋外で寝泊りする楽しさを味わえる方法の一つとして車中泊が注目されている。
車中泊をする上で最も重要なポイントと言えるのが快適な「寝床環境」だ。寝心地が悪いと寝不足になり、疲れてしまうこともある。そこで、車中泊で快適に眠るために必要な6つのアイテムを紹介したい。
1)寝袋は形状と素材がポイント
車内で寝る場合、短時間の仮眠程度ならドライバーズシートを倒して運転席で眠る人も多いが、身体が痛くなってしまい運転に集中できないことがある。睡眠をきちんととるためにも足を伸ばしてラク体勢になれる、後部座席やラゲッジルームで寝袋を活用した寝泊まりが望ましい。
寝袋の形には種類がある。一般的に「封筒型(レクタングラー型)」と「マミー型(人形型)」があり、使用するシーズンや中綿にも種類がある。
「封筒型(レクタングラー型)」は、長方形をした上から下までの幅が同じタイプ。中はゆったりしており、寝返りを打てるなど布団に近い使い心地である。身体への密着度が低いため保温性は下がるが、ファスナーを調整することで暑いときは足下を開け温度調整をすることが可能だ。
「マミー型(人形型)」は身体の形に合わせた形状で、体温を逃がしにくく保温性が高いのが特徴である。寒い時期での使用や寒がりの人にオススメ。封筒型に比べ、軽く作られていることが多く、コンパクトに収納できるメリットもある。
寝袋の素材はコットン(綿)とナイロン製がある。ナイロン製はシャカシャカ音がするので気になる方はコットンがおすすめだ。中綿の種類は主に2種類、「化繊」と「ダウン」があり、ダウンは軽くて寝心地が良いが価格が高く、カビが生えやすいため保管に気を遣う。寝袋自体は比較的コンパクトに収納できる。化繊は保温性と耐久性ともに優れており、ダウンよりも低価格で購入が可能だがダウンほどコンパクトにはならない。
気になる価格についてだが、ダウンと化繊を比較すると化繊の方が安価。価格は使われている素材のほか、使用可能温度やブランドの有/無によっても変わってくる。仮に真冬といった厳しい環境下での使用を想定しないのであれば、例えそれなりの価格であってもそれなりの機能があるものがほとんど。なのでどのようなシチュエーションで使用するかをしっかり考えて素材を選ぶといいだろう。
2)背中が痛くならない快眠マット
運転席よりもフラットかつ足を伸ばせるスペースが確保できるラゲッジルームや後部座席を倒して作る床は固いのが難点。そこで、寝袋とセットで使って寝床の快適さをアップするアイテムとして大切なのはマットだ。お金をかけないで揃えるなら、普段使用している布団やマットレスをそのまま積み込むのもありだ。自宅の寝心地とあまり変わらないし、何より気取った準備がいらない手軽さもいいだろう。
キャンプ用品を使用するなら、エアーマットやローコットを使用し、その上で寝る方法がある。車内にあった大きさ選びが快適さアップの鍵になるだろう。
3)サンシェードでプライバシーを守る
また、車中泊をする上で、カーテンやシェードも必要アイテムのひとつだ。フロントガラスはリアガラスのようにプライバシーガラスにはできないため、車内で着替えたりご飯を食べたりする時のプライバシーの確保が難しい。
そのためフロントガラスにはサンシェード、サイドガラスにはカーテンや車種専用のシェードなどを取り付けるのがいいだろう。安価で揃える場合、量販店やホームセンターで売られている銀マットを窓の大きさに合わせて切り抜き、窓に差し込む方法もある。100円ショップでもサンシェードは購入できるため、お金をかけずに済む。
車種専用が欲しいなら、ウィンドウズネットもオススメだ。パーツショップやメーカーから発売していることもあり、専用とあって隙間が空いてしまうなどの不具合はない。夏場に窓を開けても虫が入りづらいため、窓を開けて風を取り込むことができるのも嬉しいポイントだ。
4)いざという時に役立つミネラルウォーター
見落としがちだが、最低限の飲料水も必要だろう。車中泊をする場所によっては手洗いだけではなく飲用の水道がない場合もあるかもしれない。歯を磨いたり、けがをしたりした時に傷口を洗い流すなどで使うこともあるのでペットボトルの水は何本か常備しておくと色々使える。
5)お風呂セットでストレスフリーに
季節にもよるが特に夏であれば一日の汗を流したいのが正直なところだ。車中泊時のお風呂は、道の駅の温泉施設、市営の施設、ホテルの日帰り温泉、スーパー銭湯など、利用できる選択支は様々である。すべての施設に該当するわけではないが、シャンプーヤリンス、石鹸などが備えついているわけではないので、万が一のことを考え、お風呂セットの持参をおすすめする。
100円ショップの小型シャンプー/リンスケースに愛用の洗髪料を移し替えれば普段と変わらない洗い心地でノンストレスだ。また、バスタオルもあるとさらに安心だろう。
6)車のバッテリー上がりを防ぐランタン
そして、夜間の車内の明かりの確保には車内ライトもあるがバッテリー上がりが懸念される。そこで車中泊のテンションも一気に上がるアイテムとしてランタンを紹介する。アルコールを使用するタイプではなく、電池式、充電式が良いだろう。充電式ランタンを使用する場合は、モバイルバッテリーがあると充電が切れた時も安心である。
LEDを使用しているため、調色、調光機能や充電機能など機能性に優れているモデルが多く、大きさや種類も豊富だ。アルコールランタンと違い火を一切使わないため、一酸化中毒や火災を引き起こす心配がない。充電式ランタンは家庭用コンセントやシガーソケットから充電するタイプ、太陽光から充電するソーラータイプ、手回しで充電する手回しタイプがある。
電池式ランタンは電池を交換するだけで使用できる手軽さで、主に単3電池使用のものが主流だ。ランタン全体の価格相場は、小さいもので3〜4000円から購入できるものが多いだろう。
車中泊で大事なことは、暗すぎる場所やひと気がない場所を避け、安全に過ごせる場所であることだ。予期せぬ犯罪やトラブルに巻き込まれぬよう、適度に人の出入りがありクルマのまわりを見渡すことができる場所を選んでほしい。そしてごみの持ち帰りやエンジンをアイドリングしたままにはしないなど、マナーに十分気を付けて楽しんでいただきたい。