Xfinityシリーズではチーム初のトップ10入り
アメリカでもっとも人気のある自動車レース「NASCAR（ナスカー）」の3大シリーズのひとつである「Xfinity SERIES（エクスフィニティ・シリーズ）」。その第23戦となる「Sport Clips Haircuts VFW 200」がサウスカロライナ州にあるダーリントン・レースウェイで開催された。
このエクスフィニティ・シリーズに昨シーズン、スポット参戦をしている服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises（HRE）」が、第6戦以来トヨタGRスープラでスポット参戦を果たした。
カーナンバー61を付けた「TOYOTA TSUSHO TOYOTA GR SUPRA」を駆るのは、HREからナスカー・トラック・シリーズにフルエントリーしているオースティン・ヒル選手。今回の舞台となるダーリントン・レースウェイは1周1.366マイルのオーバルコースで1-2ターンと3-4ターンの曲率が違っており、1-2の曲率は大きくバンクも25度と深い。さらにバンクはコースのアウト側が深いプログレッシブバンクとなっている。
新型コロナウィルス感染拡大の影響もあって、このエクスフィニティ・シリーズもフリー走行と予選走行のないレース・フォーマットで開催となる。決勝レースのみを行うため、そのグリッドはシリーズランキング順によるクジ引きにより決定されるのだが、スポット参戦の61号車は26番グリッドからのレーススタートとなった。
そして迎えた9月5日（土）午後12時30分、まさしくぶっつけ本番となるレースは、ダーリントンのコース147周（第1ステージ45周、第2ステージ45周、最終ステージ57周）で行われた。61号車は、スタート直後に起きたクラッシュを回避し、17番手まで順位を上げていったものの、コーナーでのハンドリングの悪化が見られ、順位は22番手まで落ちてしまう。
20周目のコンペティション・イエローが出たところで、チームはすかさず61号車をピットに戻し、車両の調整だけを行ってコースへ復帰。グリーンとなってレースが再開してみると、61号車はフロントのグリップ不足が明らかになり、第1ステージは26番手で終了となった。
このステージブレイクで、チームは給油とタイヤ4本交換、そして大幅なセッティング変更を加えて61号車をコースに送り出す。24番手から第2ステージをスタートさせたヒル選手は、第2ステージ開始のグリーンフラッグが振られるとすぐに21番手にポジションアップ。さらに徐々にポジションを上げていき、75周目には16番手にまで挽回。第2ステージは、そのチェッカー前にクラッシュがあってイエローコーションのままステージブレイクとなった。
このタイミングで、ヒル選手はピットに戻り、給油と4本のタイヤ交換を行い14番手で61号車をコースに復帰させ最終ステージへ。96周目、残り51周の最終ステージのリスタートが切られと、すぐにポジションを一つアップしたが、レースはここから荒れた展開へと変わっていく。
このステージ2度目の109周目のイエローコーションでピットイン。給油と4本のタイヤ交換し、さらに車両調整を行い、18番手でリスタートを待つ。その後もポジションを上げていくヒル選手は、13番手までポジションを上げた直後に前方で起こった多重クラッシュを見事に避けて、10番手に。このクラッシュでコースにオイルとパーツの破片が散乱したため、赤旗でレースは一旦中断。
127周目に再開のリスタートが切られるとここでも9番手にポジションアップに成功するが、その後は一進一退の攻防を繰り広げたのだが、ポジションの変動はないままチェッカーとなった。ヒル選手にとっては初めてのサーキットでの戦いであったが、HREとしてはエクスフィニティ・シリーズで初のトップ10入りを果たすことができた。
HREのGRスープラ61号車は、この後、9月26日（土）に開催となるラスベガスでの第27戦「Alsco 300」にスポット参戦の予定だ。
