純正シートとしては異例の上下2段階調整機構を備えていた
インテリアには、レカロ社と共同開発のシェル材にカーボンコンポジットを採用したセミバケットシートを採用し、タイプR純正比7kg(2脚で)の軽量化を実現。さらに純正シートとしては異例の上下2段階調整機構を備え、通常でも5mm低い着座位置となっている上にローポジションにすることでさらに20mm低いサーキットポジションを取ることも可能としていた。
ローポジション化したシートに合わせてシフトノブの位置も25mm低くし、レバー比の変更と取付剛性を向上させたことでクイック管とダイレクト感を高める念の入れようだった。
さらに視認性の高いセンターコンソール上部には水温、油温、油圧を表示する3連メーターも標準装備。否が応でも気分の盛り上がるコックピットに仕上げられていたのである。
走るステージによって調整することができたリアウイング
そして無限RR最大の特徴とも言えるのがエクステリア。”フォーミュラスポーツ”をコンセプトに仕上げられたそれは、専用のエアロパーツによって前後マイナスリフトバランスを実現。リアウイングにはGTマシンにも採用されている3次曲面を用いた形状とし、Cd値を増やすことなく効果的にダウンフォースを得ることができるようになっている。また、ウイングの取り付け角度を0度から12度まで可変できるようになっており、走るステージに合わせて調整が可能となっている。
さらにすごいのが、無限RRに採用されたフロントバンパーやグリル、リアウイング、ガーニーフラップはカーボンコンポジット製とすることで(ボンネットはアルミ製)ベース車よりも15kg以上の軽量化を実現しているのだ。
ご存知の通りカーボンパーツは軽量、高剛性であるが非常に高価なもの。それをふんだんに使用した無限RRが500万円未満という価格だったのはむしろ格安と言える。一説にはほぼ利益がなかったか、赤字だったとも言われるほどなのである。
なお、無限はその後、コンプリートカーとして2013年にCR-Zをベースとした無限RZ(449万4,000円)を300台限定で、2016年にS660をベースとした無限RA(289万円)を660台限定でリリースしている。
現段階ではプレミア価格とはなっていないようだが、無限RRにつられて上がってくる可能性もあるので、気になる人は早めに動いた方がいいかもしれない。