がっつりイジらない人でも遊べるスペアタイヤのアレンジ
JB64ジムニー&74シエラのスペアタイヤはリアゲートに付いていて、その見せ方で個性をアピールしている人が多数いる。「ボディキットのようなハードなカスタムまではちょっと……」というユーザーにも取っ付き易いのも人気の理由だ。そこで今回、4つのシチュエーションに分けてそのアレンジ方法を紹介していく。
1)純正スペアタイヤを生かす見せ方
◆純正カバーにデカールを貼る
ジムニー&シエラの純正スペアタイヤハーフカバーをそのまま使う方法。実はスズキの純正オプション(アクセサリー)でも6種類のデカールが用意されていて、車両購入に合わせてオーダーする人が比較的多いパーツ。
純正オプションは貼られた状態で納車されるのが通常で、自ら貼り付け作業をしなくていいのが魅力だが、人と被る可能性は高い。実はハーフカバーに合わせた形でデザインされた社外品も出ているので、それを貼るのもアリだし、お気に入りのアウトドア&アパレルメーカーのステッカーを貼るのもいまトレンドだ。
◆タイヤカバーを付ける(ソフトカバー編)
デカールに次いでやりやすいのがカバーの装着。タイヤ保護の観点からも付けて悪い事は何もないし、こちらも純正アクセサリーの設定があるほど定番。
ただ編集部としてはアフターパーツのそれを推したい。その一番の理由がデザイン。実は各メーカーから実に様々なデザイン(絵柄)が出されていて、素材も純正アクセサリーのそれよりこだわっているものが多数。
最近はアウトドアの流行を意識した絵柄や書体で構成されたものが多いが「スコップやタンクが付いている風」など、遊びゴコロを効かせたデザインも出回っている。
ちなみに何でスコップかだが、本格的なクロカンを楽しむ人だと悪路脱出時などにスコップが必須で、それをスペアタイアに付けている人もいる。そのライト(?)版という考とのこと。
◆タイヤカバーを付ける(ハードカバー編)
上のソフトタイプのハードカバー版。ハードカバーになると途端にスパルタンな印象になるため、シティ系SUVスタイルを狙うならこちらが◎。
先代の23ジムニーではランドベンチャーにハードカバー付きの設定があったが、JB64/74用は執筆時点ではなく、選択肢は社外品から選ぶしかない。例えば「リバティウォーク」や「エアロオーバー」など、現行型から新規参入したエアロパーツメーカーから出ている事が多いようなのでチェックしてみるといいだろう。
2)社外のタイヤ&ホイールに交換
ジムニーは社外タイヤ&ホイールへの交換比率が高い。交換したとなれば、やはりスペアタイヤも同じモノを付けたくなるもの。実際、ジムニー用のタイヤは「5本セット(=スペアタイヤ装着も想定)」でネット販売されていることもザラ。
さらに、いま注目されている「ホワイトレター(文字が白い)タイヤ」にすれば、アイキャッチとして高い効果が期待できる。実はジムニーにホワイトレタータイヤを合わせるスタイルは先代まではさほどメジャーではなかったが、現行になって「BFグッドリッチ」の需要が激増。それを見たトーヨータイヤからジムニー用サイズの「オープンカントリーR/T」がリリースされ、ますます注目のアイテムになっている状況。
ただし64ジムニーの場合、タイヤが太くなるとそのままでは付かないので「ブラケット」と呼ばれるタイヤの固定機具の交換(もしくはパーツの追加)が必須。というのが、(サイズにもよるが)スペアタイヤを外して純正よりも太いタイヤを付けようとしても、タイヤがゲートに当たってハブボルトに固定できないためだ。
やり方は色々あるが、定番の解決法はシエラ用のスペアタイヤブラケットへの交換。ただシエラは何ら問題はないが、ジムニーの場合はシエラ用ブラケットのままでは車検不可なのが痛い。
3)スペアタイヤは取ってしまう
◆完全なるスペアタイヤレス
シンプル・イズ・ベスト、もしくは軽量化という発想になると、スペアタイヤレスも選択肢に。確かにリアビューはスッキリするし「タイヤがない方がかわいくてオシャレ」という意見もあったりする。
ただし当たり前の話だが「スペアがない」状態になる訳で、「いざ」という時の対策を検討し、用意しなくてはならない。ここで気になるのがスペアタイヤがない事による車検への影響だが、パンク修理キットだけが入っている新車も多数見られるように問題はない。
◆レスにした上でよりシンプルに見せる技
スペアタイヤを取るとボルトやゲートの凸凹が残る。とはいえ、例えばボルトをカットしてしまうと、今度はスペアタイヤを戻す時に付けられなくて困る。そこでオススメなのが、いわゆる「スムージングカバー」と呼ばれるアイテム。タイヤを取った後に出てくるゲートの凹みに合わせて蓋をするものだ。
4)タイヤを付けずにホイールだけ見せる
そもそもの発端は「ローライダー」と呼ばれるアメ車が全盛だった頃。主に「見せる」目的でワイヤーホイールをリアハッチに載せていたのだが、その際タイヤは組まずにホイール単体だけを装着。そんなストリートスタイルからの流れがこの手法で、確かにそれっぽく見えるから不思議。とはいえやはりタイヤは付いていないので実用性はなし。
紹介したアレンジ方法以外にも文中で挙げた「スコップを付ける」や「サブタンクを付ける」のような他のパーツを追加する方法もあったり、「ソフトカバー」も新作がどんどん出ていたりと、スペアタイヤまわりのカスタムは意外とバラエティ豊富で奥が深い。予算や自分のスタイルに合わせて楽しんでみてはどうだろう。