キモとなるのはステンレスメイク! アートトラックの世界にも「ユーロ」がキテる
カスタマイズの世界では海外のスタイルをオマージュしたり、その一部をエッセンスとしてプラスするのが今も昔もトレンド。その流れはいわゆる「デコトラ」の世界でもここ最近浸透し始めているという。
欧州のトレーラーは日本の道路運送法同様、ヘッドと呼ばれるコックピット側と荷台を連結した状態で16.5m以内となるように規制されている。そのため、40フィート(12m)コンテナを牽引するために古くからキャブオーバー型のトラックが普及している。
オランダでは特に高速道路での夜間の野生動物の飛び出しが多いようで、トラックに補助灯を増設し、ブルバー(グリルガード)を装着することで事故を防止してきた。このふたつの機能にペイントアートやライトアップを組み合わせるのが、近年のユーロ系ドレスアップスタイルとして定着してきている。また、1960年代よりバンパーライトが採用されており、その飾り方は近年の日本車のお手本にもなっている。
今回紹介するのはそんなユーロ系ドレスアップスタイルに魅せられた1台。ベース車からスウェーデン製トラックということもあり、国産車カスタムとはまたひと味違ったオーラを放っている。
「欧州カスタムパーツ」と「和製アート」を融合させた「スカニアR500」
近年、ボルボやスカニアといった欧州のトラックが日本でも数多く見かけるようになった。その理由のひとつとして、人手不足に悩む運送会社が若いドライバーを集めるために輸入車を導入しているという話もよく聞く。
そんな背景もあってか、これら欧州トラックをベースにしたカスタム人気も近年急上昇。今回紹介する「スカニアR500」もそんな1台。ドライバーのKさんはトラッカー歴30年。国産車のデコトラも極めたベテランだが、現在の会社でボルボFHに乗って以来ユーロアートトラックに魅せられ、そのスタイルを邁進しているという。スカニアは2019年4月に購入し、車検前から大阪府にある老舗アートショップ「ステンレスアートG-1」の母体、田中ステンレスが立ち上げた輸入車トラックパーツ専門店「STAR NEON(スターネオン)」にてカスタマイズ。
ルーフにはKelsaのハイバーとHELLAのスポットライト。その上には「こだまマーカー」を装備するなど、日本のアートトラック的エッセンスも加えている。フロントバイザーはACITIONOXをチョイス。その上には、左右にナイトで青く光るミシュランの「ビバンダムくん」が飾られているのもユーロテイストの現れか。
フロントグリル(フロントマスクカバーという)はスターネオンのオリジナル。LEDを配置したバンパー下のローバーも同社製。中央のスカニアエンブレムは文字側面から光があふれ出る意匠。グリル下部にはドイツHELLA社製のフォグランプが並び、それを囲うように奢られた「マルチバー」は英国Kelsa社製。
ステンレス製のミラーカバーはイタリアACITOINOX社の製品。サイドスカートにふたつずつ配置したスカニアのロゴを抜いたマーカーは「グリフィンマーカー」。その下のパイプは英国LightFix社製「サイドライナー」と呼ばれるパーツ。ここにもLEDマーカーがズラリと並ぶ。ホイールスピンナーもACITOINOX。イタリア製らしくモードなデザインだ。
ルーフライナーはLightFix製。その下にスカニアロゴのステンレスプレートを装着。踊り場にそびえるエアバー(エアカプラーを装着するパーツ)はスターネオン。エアディフレクターを前にオフセットするとハンドレールが登場。
リアには左右に巨大な反射板がつくが、今後スターネオンのリアバンパーを装着予定。リア左右のエアディフレクターに付いたバーはLightFixのキャブライナー。