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スバルの宝はニッポンの宝! 消えたいまでも「EJ20型エンジン」に今なお魅了されるワケ

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: SUBARU、STI、Auto Messe Web編集部

モデル末期は各部を磨き上げて、フィーリングは熟成の域に

 2代目のWRX STIには低速トルクを補うため、自然吸気エンジンに採用していた可変吸気バルブタイミングシステムを搭載。’02年には等長エキゾーストシステムをするなど地道に効率を高めていく。’07年に登場した3代目のSTIには排気側にも可変バルブタイミング機構が投入されたことで、弱点と言われた低中速トルクを補うなど時間をかけてリファイン、技術を投入していくことで、ネガティブな部分を一つずつ解消していった。このあたりは航空機製造をルーツにもつこだわりの技術屋集団の面目躍如といったところだ。2代目のWRX STI

 3代目インプレッサWRX  STIで308ps/43.0kg-mに到達したEJ20型だが、’14年に登場した4代目でもスペックは変更がなかったことを考えると、厳しくなる環境性能対応と10年10万kmのメーカー保証、手の届く価格(コスト)のバランスを考えるとEJ20型の上限とスバルは考えたのかもしれない。

 そこで、4代目は出力ではなく、最新技術を用いて、各部の効率を高める手法で速さを追求していった。具体的にはECUの変更、補器類の形状の最適化や見直し、性能バラツキの改善など重箱の隅を突くような地道な改善だ。簡単に言えばメーカーによるファインチューン。より気持ちよく、よりパワフルに。そしてトラブルを抑制し、燃費の改善など性能と品質に磨きを欠けたのだ。

磨き続けてきたからこそ、EJ型エンジンは光輝く存在に

 究極を言えば手組みでより精度が高められたSTIのコンプリートカーに搭載されるEJ20型となるが、市販のEJ20ターボでも初期型と乗り比べるとその差は歴然。高回転ではじけるような特性は同じだが、低速域の豊かなトルク、滑らかに8000rpmまで吹き上がるフィーリング、強烈なパワー感はまさに研ぎ澄まされたという言葉がしっくりくる仕上がりなのだ。EJ20エンジンを積んだWRX STIのファイナルエディション

 現在はEJ20型ターボをスペックやパフォーマンスで超えるエンジンは存在するが、スバルが30年かけて鍛え上げた円熟のフィールには届いていないように思う。「ダイヤモンドの原石は磨くことによって光りを放つ」とパナソニックの創業者である松下幸之助氏が語るように、EJ型はスバルの技術者がその持ち味を活かし、鍛え上げてきたからこそ、ファンから愛され、名機と呼ばれる存在にまで昇華したのだろう。

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