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衝撃の空力と燃費性能! わずか45馬力だが「トヨタ・スポーツ800」はリアルスポーツだった

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: トヨタ、Auto Messe Web編集部

トヨタハイブリッドカー開発の原点はヨタハチだった!

 当時の私のトヨタ好きは、レーシングカーの「トヨタ7」も含め、流体の様子を目に浮かばせるような流麗さにあったのだと思う。したがって、ホンダS800がいかに技術的に優れていようとも、あまり興味がわいてこなかったというのが当時の正直な心境だ。トヨタ・スポーツ800のリアビュー

 トヨタS800の歴史は、スポーツカーとしてだけでは終わっていない。のちになって知った出来事ではあるが、トヨタは、1960年代の半ばからハイブリッドの研究を行っており、1975年にまず高級車のセンチュリーで公開し、77年の東京モーターショーではトヨタS800を使ったガスタービンハイブリッドを出展している。オートモビルカウンシル2017に展示されたトヨタスポーツ800のガスタービン車

 ガスタービンはジェットエンジンと同じように、ある一定回転で利用すると燃費に優れる。エンジンのように頻繁に回転を上げ下げすることは苦手なので、航空機や船舶、発電機などの動力として向いているが、モーター駆動とし、バッテリー充電のため発電機を稼働する動力として、ガスタービンはシリーズハイブリッド方式の一案といえる。トヨタS800を使ったガスタービンハイブリッドユニット

 駆動はモーターで、エンジンの動力は発電のみに使うハイブリッド方式を、シリーズハイブリッドという。この方式は現在も健在で、日産のe-POWERがこれに相当する。また、ホンダのe:HEV(従来のi-MMD)も高速でのエンジン走行以外はシリーズハイブリッド方式だ。日産e-POWERユニット

 一方、1997年に発売された初代プリウス以降、トヨタはモーターとエンジンの両方を駆動に使うパラレル方式のハイブリッドシステムを基本とし、2つのモーターを搭載することにより発電用にもエンジンを活用する独自の機構を採用している。

 方式の違いはともかくも、トヨタは55年も前からハイブリッド車の研究をしており、その一台としてトヨタS800のガスタービン式ハイブリッドが試作された歴史に、一つの感慨を覚える。トヨタS800というスポーツカーの運転の醍醐味に加え、燃費や環境といった視野も持ち、時代を牽引しようとした様子が1960年代のトヨタにあったことにも驚かされるのである。またトヨタS800の燃費は、当時の計測方式ではあるが31km/lとされていた。

 車両価格は、59万5000円で、累計3031台が生産されたという。ちなみに、ホンダS800Mの車両価格は75万円で、S800クーペは69万4000円あった。

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