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かつて「FF車乗り」の常識だったドラテク「タックイン」を聞かなくなったワケ

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

激しいアンダーステアも影を潜めた最近のFF車

 ところが近年のFF車はシャシーやサスペンションが劇的な向上を遂げ、強烈なアンダーステアは影を潜めるようになった。昔のようにわざとリヤを流して向きを変えるよりも、セオリーどおりのスムーズな走らせ方をしたほうが、安定して速いタイムを刻めるのであれば、あえてタックインを使う理由はないだろう。安定し早いタイムを出せるFF車

 なお最新のFF車でもタックインを起こそうと思えば起こせるが、高いスピードが必要なうえステアリングコントロールが難しく、失敗したときのリスクは昔より高いと言わざるを得ない。時に底ミュー路で使うこともできるがタイムアタックには向かない

 また雨や雪など低μ路は比較的タックインが起きやすいので、ブレーキングやステアリングと同様に『急』の付く操作は避けたほうが無難だ。タックインが過去のドライビングテクニックとなった理由は、FF車の進化によるアンダーステアの減少にあった。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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