激しいアンダーステアも影を潜めた最近のFF車
ところが近年のFF車はシャシーやサスペンションが劇的な向上を遂げ、強烈なアンダーステアは影を潜めるようになった。昔のようにわざとリヤを流して向きを変えるよりも、セオリーどおりのスムーズな走らせ方をしたほうが、安定して速いタイムを刻めるのであれば、あえてタックインを使う理由はないだろう。
なお最新のFF車でもタックインを起こそうと思えば起こせるが、高いスピードが必要なうえステアリングコントロールが難しく、失敗したときのリスクは昔より高いと言わざるを得ない。
また雨や雪など低μ路は比較的タックインが起きやすいので、ブレーキングやステアリングと同様に『急』の付く操作は避けたほうが無難だ。タックインが過去のドライビングテクニックとなった理由は、FF車の進化によるアンダーステアの減少にあった。