サスペンション性能をフルに発揮させる“隠し技”
ダウンサスや車高調など、足まわりの具体的な交換手順は車種ごとにさまざまだが、共通して必要なのがジャッキアップ。ショップならばリフトアップして車体を宙に浮かせ、サスペンションの交換作業を行なう。
この時、取り付け作業のセオリーに「1G締め」というのがあるのだが、初めて耳にする人も多いと思う。サスペンション性能をフルに発揮させるためにも重要なこの「1G締め」とはどんなものなのか、コダワリ派のユーザーは覚えておいてほしい。
1G状態で組み付けてブッシュ類の捻れを無くす
この「1G締め」というのはサスペンションブッシュの固定方法のことで、ゴムを介して可動する部分の締め方を指す。「1G」というのは静止状態の重力を指しており、実際に車両が地上に静止した状態という意味だ。
車体を浮かせた状態でブッシュの部分を締め込むと、着地した時点で車重によって沈んだ分の捻れが生じ、サスペンションの可動部はすでに元へ戻ろうとする力が発生していることになる。サスペンション本体に対しても、常に伸びようとする力が働いていることになり、本来のサスペンション性能がスポイルされてしまうのだ。これはゴム製ブッシュの寿命にも影響し、常に捻れる力がかかっていることで、経年劣化による疲労を進めることにもなってしまう。
そうならないために「1G締め」をする必要があり、ショップでもこの作業を推奨していたり、サスペンション交換時のオプションメニューとして設定しているケースも多いので、足まわりの交換を依頼する際は一度相談してみると良いだろう。