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「加工済みリアアクスル」て何だ? 軽やコンパクトカーの「地を這う」シャコタンの作り方

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TEXT: 佐藤知範  PHOTO: K-STYLE編集部

キャンバー角は固定式が基本だが可変式の商品もある

 Jラインの場合、ベーシックモデルの「アクスルキットプレミア」と、ハイエンドユーザー向けの「プレミアムエイト」という2タイプのアクスルキットを用意している。前者は標準設定のキャンバー角が3度だが、オプションで5度に変更可。後者は標準設定が8度、オプションで10度にも対応する。

 アクスル自体の長さについては3ミリ刻みでオーダーできる。調整範囲はおおむね純正+9ミリ~-9ミリあたりだが、車種によっても変わるので、詳しく知りたい人はJラインのWEBサイトを参照のこと。

 キャンバー角および長さは固定式。加工後に変更することはできない。ただ、他社ではキャンバー可変式のアクスルキットも存在し、たとえばファイナルコネクションではキャンバーアダプターを使って0度/3度/5度/7度と変更可能だし、アヒル商会のキャンバー可変アクスルは0度~10度の間で調整できる機構を備える。

 ダウン量については車種によって異なるが、だいたい純正比で-30~50ミリくらい。これもJラインをはじめほとんどは固定式(加工後は変更不可)ながら、中にはダウン量も可変式を採用したアクスルキットも存在する。

 もう1つ、忘れてはいけないのがトー角。リアトーションビーム式の足でキャンバーをネガティブ方向に倒し、ローダウンするとトー角が内向きに変化していく。キャンバー角が大きいほど、またローダウン量が多いほどこの変化量も大きくなる。そしてトー角が狂ったまま走ると、タイヤが猛スピードで偏摩耗してしまう。

 よってトー角もアクスルの加工で補正しなくてはならない。Jラインの場合、「ハイ」「ミドル」「ロー」「スーパーロー」の4種類を用意しており、設定したい車高に応じてこの中から選ぶ仕組み。目安としてはタイヤにフェンダーが被らないくらいが「ハイ」、タイヤに半分被るくらいが「ミドル」、タイヤに全部被るくらいが「ロー」、ホイールにも被るくらいが「スーパーロー」。適正を選べばトー角はプラマイゼロ付近に補正される。

 だが軽めのローダウンなのに「スーパーハイ」を選んだり、がっつり落とすのに「ミドル」を選ぶとトー角の狂いは補正できない。アクスルキットをオーダーする時は、事前にどれくらいの車高にセッティングしたいのか決めておこう。エアサスの場合はマックスダウン状態ではなく、普段の走行車高に合わせて選ぶべし。

車検は通る? 通らない? 構造変更の必要もある?

 アクスルは左右の車輪を繋ぐ重要なパーツ。そんなところを改造したらアウトなんじゃ…と心配になるが、きちんと強度や耐久性が確保されていれば問題ない。しかしアクスルの加工や交換は法規上で「走行装置の変更」となるため、記載変更や構造変更は必須。これはどんなメーカーのアクスルキットも共通で、何の手続きもナシに車検が通るケースはない。

 Jラインのアクスルキットの場合、事前にVIA(日本車輌検査協会)で試験を受け、その精度や安全性が公的に認定・登録されている商品になる。だから記載変更の手続きをするだけで車検に通る。具体的には、まずメールやFAXなどでJラインに書類発行を申し込み、代金(税別3万8000円)を振り込めば、10日~2週間ほどで改造概要等説明書類が届く。それを陸運局や検査協会に持ち込めば記載変更できる。

 注意して欲しいのは、改造概要等説明書類はアクスルキット単体に対する書類ではなく、アクスルキットを付けたクルマに対する書類だということ。Aというクルマにアクスルキットを付けて発行した書類があったとして、Aに付いていたアクスルキットをBというクルマに付けた場合、その書類は無効になる。

 Jラインのアクスルキットは中古品として出回ることもあり、たまに商品説明に「公認書類付き」などとあったりするが、その書類自体は役に立たないので注意。だがそのアクスルキットに正規のネームプレートがきちんと付いていれば、それを元にJラインに料金を支払って書類を発行してもらうことは可能だ。

 もちろんJライン以外のアクスルキットも車検取得可能。メーカーに強度検討書や改造概要等説明書といった書類を発行してもらい、それを陸運局や検査協会に持っていって記載変更や構造変更をする、という大まかな流れにも変わりはない。細かい手順や費用は各社異なるので、事前に問い合わせて確認しておくことをおすすめする。

 いずれにせよ、アクスルキットを装着する(アクスルを加工する)=記載変更/構造変更は必ずやらなくてはならない。導入を考えている人はそれを踏まえておこう。またいくら記載変更/構造変更をしても、最低地上高が9センチを割っていたり、タイヤ&ホイールがはみ出すなど、保安基準違反の場合は当然ながら車検NG。アクスルキットはよく落ちる手法だが、オーダー次第では「思ったより落ちすぎて困った」というケースもあるので注意して欲しい。

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