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「アゲの波」はついにスーパーハイト軽まで! スペーシアの「シャコアゲ」が衝撃のハマり具合だった

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TEXT: 佐藤知範  PHOTO: K-STYLE編集部

CASE_02)普通とはひと味違う! 車高を微調整できるアゲキット

 広島県のプロショップ・Sスタイル。もともとはローダウン系のカスタマイズを得意としているお店なのだが「車高短乗りが気楽に乗れるセカンドカー」をコンセプトに、これまでジムニーやエブリイなどのリフトアップ仕様も数多く手掛けてきた。中でも近ごろジムニーと並んで好評なのが、このスペーシアギアだ。「ODKスタイル」の1.5インチキットでリフトアップしたスペーシアギアのフロントカット

 上げ方は他社とはひと味違い、スペーサー&スプリングアジャスター方式を採用。車高を微調整できるのが大きなポイントになっている。一般的に出回っているリフトアップキットは、上げ幅が固定式であることがほとんど。よって装着した際、製品や車両の個体差などが原因で、「少し前下がりになった」「左右で車高がちょっと違う」といった状況になっても補正できない。「ODKスタイル」のスペーシア用1.5インチキット

 その点、Sスタイルのオリジナルブランド「ODKスタイル」の1.5インチキットは、前後左右それぞれで調整が効く。まずフロントだが、1枚あたり4ミリかさ上げできるスペーサーを、複数枚重ねて純正ストラットの上部に挟み込む。これでトータル1.5インチ(約38ミリ)前後のリフトアップができるが、枚数を変えればアゲ幅を4ミリ刻みで調整できるというわけ。「ODKスタイル」の1.5インチキットでリフトアップしたスペーシアギアのリアビュー

 リアは全長調整式のスプリングアジャスターで同じく1.5インチアップ。こちらは無段階で微調整可能。車高アップに伴いショックが伸び切ってしまわないよう、リアショック下部に延長ブラケットも装着される。「ODKスタイル」の1.5インチキットのリアショック延長ブラケット

 こうした車高調整機能のメリットは誤差の補正だけでない。たとえば日常的に後席に人を乗せたり、重い荷物を多く積むという場合は、あらかじめリアの車高を高めにしておくこともできる。また車高の前後バランスはケツが下がり気味の方がカッコイイ! と思うなら、そうしたアレンジも可。一般人から見ると微妙な差ではあるが、こだわり派にとっては細かくセッティングを煮詰められるのは魅力だろう。

CASE_03)四駆屋が初心者向けのちょいアゲプログラムを開発

 マスターピースはランクルやプラド、ラングラー、ジムニーといった本格クロカン4WDを長年取り扱ってきた有名店。リフトアップキットはすべて自社で開発しており、組み合わせるパーツも純国産品またはモンローやタフドッグといった一流の海外ブランド品のみ。それも徹底的に走り込んでから商品化するという堅実な姿勢を貫いてきた。兵庫の4WDショップ「マスターピース」のデモカー、ジムニーとスペーシアギア

 いわゆるガチの四駆乗りに支持されているメーカーながら、この「ワンサイズアップサスペンションキット」はライトユーザー層に人気が高い。その名の通り、純正+αというべきリフトアッププログラムなのだ。スペーシアギア用(MK53S系の4WD全車対応)はスプリング交換によって約25ミリアップを実現できる。兵庫の4WDショップ「マスターピース」のスペーシアギア

 25ミリとはやや控えめの数値であるが、これは純正ショックアブソーバーとのマッチングを考慮した結果。スペーシアギアは見た目こそSUV風だが、足まわり自体は標準のスペーシアと変わらない。室内空間を最大限に確保するため、サスペンションのストローク量はかなり削られており、純正ショックはさほど伸ばせないのが現実だ。兵庫の4WDショップ「マスターピース」のスペーシアギアの走行シーン

 それを踏まえてさまざまなアゲ幅で走行テストを行い、最適解としてはじき出されたのが25ミリアップ。チョイアゲといえば30ミリアップが定番で、実はそれをスペーシアでもやれないことはないのだが、無理をして乗り心地を損なうリスクはとらないのがマスターピース。特にワンサイズアップサスペンションは初心者に選ばれることもあり、安全に長く快適に乗れることを目指した。兵庫の4WDショップ「マスターピース」のスペーシアギアのリアビュー

 ただ25ミリアップといっても、タイヤは165/60R15(外径579ミリ)を履ける。すると純正タイヤとの外径差によって+約10ミリ、合計約35ミリアップが可能。車検にはまず引っかからないし、ビギナーはいきなりガッツリ上げるよりも、これくらいの方が安心して乗れるだろう。そして165/60R15サイズはオフロードタイヤの設定も多く、オープンカントリーR/TやジオランダーA/T G015、マッドスターラジアルA/T&M/Tなどから選べるのも利点だ。リフトアップしたスペーシアギアにTOYO TIRES オープンカントリー15インチの組み合わせ

 またリフトアップに伴うアライメントの狂いを補正するため、キャンバーボルトやラテラルロッドも設定。こうした補助パーツ類まで国産にこだわっており、総じてクオリティは高い。兵庫の4WDショップ「マスターピース」のちょいアゲきっと

CASE_04)迫力の4インチアップだからカスタムでもサマになる

 北海道のパドックも老舗の四駆ショップだ。オリジナルパーツブランド「POS(Performer Offroad Sport)レーシング」を展開し、オフロードレース活動で鍛えてきた技術力を駆使して本格派のカスタムパーツを開発・販売。商品はいずれも北海道の厳しい自然環境下で入念にテストされており、走行性能や耐久性などは折り紙付き。さらにPOS製品はすべてジャパンメイドとなる。北海道の四駆ショップ「パドック」のデモカーMR31Sハスラー

 近ごろはクロカン系のみならず一般の軽自動車にも注力しており、eKクロスや新型ハスラー、そしてスペーシアカスタムと次々にリフトアップキットを開発。ん、スペーシアカスタム? と思った人は鋭い。スペーシアでもスペーシアギアでもなく、デモカーはあえてのスペーシアカスタム。吊り目のヘッドライトにメッキパーツ多数、今っぽい高級車路線のスペーシアカスタムは、アゲというよりローダウンが似合いそうである。北海道の四駆ショップ「パドック」の現行ハスラーとeKクロス

 ところが実際に上げてみるとご覧の通り。思いのほかしっくりハマり、デリカD:5っぽい雰囲気も漂わせる。30ミリ前後のチョイアゲではなく、4インチ(約10センチ)という思い切った上げ幅というのもポイントなのだろう。これだけ上がればかなり大径のオフロードタイヤを履かせられるので、走破性能も大幅アップしそう。いかにも雪国仕様といった感じだ。北海道の四駆ショップ「パドック」のデモカー、スペーシアカスタム

 リフトアップはいわゆる「メンバーダウン方式」。サスペンションメンバーとボディの間にブロックを挟み、サスペンション自体もブロックやブラケットでかさ上げ。エンジン&ミッションは下げてドライブシャフトの角度を適正化。プロペラシャフトやラテラルロッドの位置補正パーツのほか、ロング仕様のステアリングシャフト(別売)も設定する。北海道の四駆ショップ「パドック」のデモカー、スペーシアカスタムのメンバー部分

 スプリング&ショックは純正のままなので、基本的な乗り心地も純正と変わらない。もちろんドライブシャフトのブーツが破れたりプロペラシャフトから異音がすることもなく、快適に走れるだろう。装着にあたっては構造変更が必須になるが、その手続さえ踏めばきちんと車検も通る。北海道の四駆ショップ「パドック」のデモカー、スペーシアカスタムのリアショックとラテラルロッド延長ブラケット

 対応はMK53Sスペーシアの4WD全車。デモカーはスペーシアカスタムだが、スペーシアやスペーシアギアも上げられる。

【取材協力】
KLC http://www.klc-div.com
Sスタイル http://odkstyle999.jp
マスターピース http://www.4×4.co.jp
4WDサービス パドック http://padokku.com

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