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日本人オーナーチーム「HRE」がプレイオフで今季2勝目! 【NASCARトラックシリーズ】

プレイオフ・第2ステージ進出を確定

 アメリカでもっとも人気のあるレースシリーズNASCAR(ナスカー)に長年挑戦してきて、現在はナスカー唯一の日本人オーナーとしても活躍している服部茂章氏が代表を務めるチーム「Hattori Racing Enterprises (HRE)」は、今シーズンもナスカー3大シリーズのひとつ「GANDAR RV&OUTDOORS TRUCK SERIES(トラックシリーズ)」へシリーズタイトル獲得を目指し、若手ドライバーのオースティン・ヒル選手を起用し、挑戦を続けている。 そのナスカー。シリーズも例に漏れず、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け一時はレース自体を中断していたが、無観客で練習走行や予選セッションを行わない決勝だけでのレースを開催している。このナスカーのトラックシリーズも同様に、無観客決勝のみのレースフォーマットを採用している。

 すでにレギュラーシーズンは終わり、現在はプレイオフに突入。その第1ステージ2戦目となったのが、9月25日(木)にネバダ州ラスベガスで開催となったトラックシリーズ第18戦「World of Westgate 200」である。このプレイオフ第1ステージは、前回のブリストル、このラスベガス、それに続くタラデガ戦の3戦でプレイオフに進出した10名のドライバーから8名へと絞られることになる。ラスベガスにあるラスベガス・モーター・スピードウェイは、1周1.5マイル(2.41km)のオーバルコース。20度のバンクは、アウト側に寄るほどバンク角が高くなっている「プログレッシブバンク」となっており高速インターミディエイトオーバルである。 今回の第18戦へ、HREは今季初カラーリングとなるWeins Canadaカラーのタンドラ、#16 Weins Canada TOYOTA TUNDRAでこれに参戦する。「Weins Canada」は、トヨタの国内販売店として初めて海外に進出した横浜トヨペットが展開する自動車販売グループで、カナダ・オンタリオ州トロントに拠点を置き、カナダでトップのトヨタディーラーを含む14店舗を展開している。

 今回のラスベガス戦もこれまで同様に練習走行も予選セッションも行なわれず、決勝レースのみを行なうレースフォーマットでの開催。ラスベガスのコースを、第1ステージ30周、第2ステージ30周、そして最終ステージが74周という134周で争われる決勝レースとなる。

完璧なピットワークで16番手からトップへ

 11番手スタートとなったHREの16号車を駆るヒル選手は、レース序盤からマシンのオーバーステアの症状に悩まされ、13番手に順位を落としてこの第1ステージを走り切る。このステージブレイクではHREスタッフによる素早い給油とタイヤ交換を行なったことで16号車はポジションアップした9番手から第2ステージのスタートとなった。一度は順位を上げたものの、この第2ステージでもマシンのバランスは完璧ではなく我慢の走行を強いられる。結果的には9番手で60周目の第2ステージのチェッカーを受ける。このステージブレイクでは、日没で下がった気温と路面温度に合わせるべく、シャシーに大幅な変更を加える。そして16番手から最終ステージへと向かう。

 68周目、残り66周の最終ステージのリスタートが切られると、HREの16号車はすぐさま13番手にポジションを上げ、さらに73周目には9番手にまでポジションを復活。83周目にイエローコーションが出されると、ここで他の上位勢と同じくHREもこの日最後のピット作業を行う。ここでチームは給油と4本のタイヤ交換を素早くこなし、なんと3番手にジャンプアップさせることに成功。 ヒル選手はこのイエロー明けのリスタートでこれに応えるように見事なスタートダッシュを決めてトップに浮上。タンドラ16号車は安定して速いラップタイムを刻んでいく。背後にはこのレースの第1、2ステージを制した2号車が背後にピタリと付け、その隙を狙い続ける。トップを走るオースティンは巧みにラインを変え後方のタービュランス(乱気流)を使っての神経戦の攻防が最終ラップまで繰り返されたが、ヒル選手は最後までミスする事なくこれを制してトップでチェッカー。今季2勝目をもぎ取り、プレイオフ第2ステージへの進出を確定させた。 トラックシリーズ、続く第19戦は10月3日(土)にアラバマ州にある「タラデガ・スーパー・スピードウェイ」で開催予定。HREはこのラスベガス戦同様、タラデガでもスープラでスポット参戦しているエクスフィニティシリーズ第28戦とのダブルエントリーでの参戦となる。

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