オートエアコンのついているクルマは気にしなくても良い!
気温が高い季節はドライバーの負担、クルマへのストレスを考えても、あまりサーキット走行をおすすめできる季節ではない。もちろん季節に関わりなく、定期的にサーキットを走りたいという人は、熱中症を予防するために、遠慮なくエアコンをONにして走ろう!
かつてはサーキット走行中のエアコンの利用はタブーとされてきたが、今はスーパーGTでもエアコンの装着は義務化され、ニュルブルクリンク24時間レースなどを走るレーシングカーでさえ日中はエアコンONで走るのが当たり前となっている。エアコンを使えば、コンプレッサーの抵抗でパワーロスが生じ、タイムに悪影響があるというのは事実だが、真夏は外気温も吸気温度も高く、エンジンパワーは元々ダウン気味だ。
路面温度は高温でタイムの期待ができないので、タイムを狙いに行くのではなく練習だと割り切って、エアコンを効かせ、ドライビングに集中したほうが効果的で安全性も高い。
高回転・高負荷時にエアコンを使用すると、コンプレッサーが壊れるのでは・・・・・・? という心配の声もあるが、オートエアコンのついているクルマは、一般道でも高速道路でも温度調節をするために、自動的にエアコンのON/OFFを繰り返しているので気にしなくていい。
また、コンプレッサーのON/OFFは電磁クラッチが行なっていて、そのクラッチにはトルクを緩衝する役割もあるので、コンプレッサーへの負担というのは、思っているほどは大きくない。しかも最近のアイドルストップ車などには、電動コンプレッサーも増えてきているので、昔のエアコンとはかなり事情が変わってきていることも覚えておこう。
それでも心配な人は、使用するエンジン回転のリミットを1000回転ほど下げればいい。エンジンの負担も減らせ、意外にタイムも失わないのだ。
気合いを入れて走るときだけエアコンを切る
ちなみにスーパーGTのGT500クラスのクルマは、アクセルONでエアコンがカットされ、アクセルを戻すとエアコンが入る設定となっており、パワーロスを最小限に抑えている。これを手本に手動でエアコンを切り替えるというアクロバティックな方法もあるが、手間と得られるメリットのバランスを考えるとおすすめできない。
いずれにせよ、ヘルメットを着用し、長袖、長ズボン、グローブをはめて走るサーキットでは、ドライバーの熱対策はかなり重要だ。走行中は運転席側の窓は開けられないので、他の窓を開けても、車内のかなりの高温となる。そう考えるとサーキットでもエアコンを入れて1~2周走り、気合いを入れて走るときだけエアコンを切るというのが賢い走り方だといえるだろう。
同時に水分補給も重要で、できればドリンクボトルを積んで走りたい。医学的には2~3時間に1回、尿意がない=脱水症状の目安とされているので、小まめな水分補給と塩分補給も忘れずに行いたい(水分不足は集中力に低下にも直結している)。