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タイプRとのニュルFF車最速バトルはすでに伝説! ホンダを本気にさせた「ルノー・スポール」って何もの?

FF最速を狙ってシビックタイプRにも軽量バージョンが登場

 新型コロナウイルスの影響により、商品改良版の発売が延期されていた「FF世界最速」の量産モデル、ホンダ・シビックタイプRの発売が2020年10月予定と発表されました。

 開口部を広げ、冷却性能を上げる新意匠のフロントグリル、サーキットの連続走行でも安定した性能を発揮するフローティングタイプのブレーキディスク、シフト操作しやすさにこだわったティアドロップ形状のシフトノブなどを新設定。

 さらにBBSと共同開発した20インチ鍛造ホイールなど軽量化にこだわった「リミテッドエディション」を200台限定でリリースするということで、スポーツカーファンから注目されています。なぜ、ホンダがここまでしてシビックタイプRをブラッシュアップするのかといえば、それは強烈なライバルが存在しているからです。

ルノー「メガーヌR.S.」は2シーター仕様

 ご存知でしょうか、それがルノー・メガーヌR.S.トロフィーRです。シビックタイプRのライバルとしてニュルブルクリンクだけでなく、鈴鹿サーキットや筑波サーキットでもFF最速を狙ってタイムアタックを行なったメガーヌR.Sの最新バージョンではリアシートを廃し、カーボンボンネットまで奢った2シーター仕様を用意するなど、そのヤル気は本物です。そして、このメガーヌR.S.を仕上げているのが「R.S.」、すなわちルノー・スポールなのです。

 もともとルノーのモータースポーツ活動というのは、ゴルディーニやアルピーヌといったプライベートチューナーが担っていましたが、1976年にワークスチューナーとして生まれたのがルノー・スポールです。しかしモータースポーツ活動だけを担っていく組織にとどまらず、市販車をチューンナップしたハイパフォーマンスバージョンの開発・生産をするようになっていきます。

ルノー・スポールはワークスチューナー

 ルノーの市販車において、車名の最後に「R.S.」とついているのは、ルノー・スポールが手掛けたモデルという証です。その究極がメガーヌR.S.トロフィーRなのです。モータースポーツでの経験を市販スポーツモデルにフィードバックして、車名にその名前を付けるという意味では、日本のワークスチューナーでいうとSTI(スバルテクニカインターナショナル)やNISMO(ニスモ)と立ち位置やキャラクターとしては似ています。そう考えると、R.S.という響きがどれほど価値あるものなのか、理解しやすいのではないでしょうか。

 ただし、ルノーは2021年シーズンからF1のワークスチーム名を「アルピーヌF1」に変更すると発表しています。今後、アルピーヌ(ALPINE)のブランドを強化していくとなると、ルノー・スポールの担当する領域が変化していくかもしれません。そうしたルノーの中におけるブランドの再構築についても注目といえそうです。

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