3)様々な車種があり地方色豊かなミニパト
駐車違反の取り締まりなどに用いられる「ミニパト」。ミニパトといえば軽自動車の印象があるが、1500cc以下だとこちらに分類される。「トヨタ パッソ」「スズキ ソリオ」などが国費で一括調達されたほか、都道府県ごとに導入する場合があるため、車種が多いのが特徴だ。
パトカー専用グレードではないので、市販の状態を保っている。写真は、宮城県警の「スズキ SX4 セダン」。同車のパトカーはいくつかの県で見ることができるのみなので、地方色あふれるパトカーといえる。
4)国産名スポーツカー「初代シルビア」もパトカーで活躍
1960年代に入ると、クルマの高性能化が進み、高規格・高速道路の開業が相次いだことから、パトカーの性能をアップする必要が出てきた。そこで、スポーツカー・スポーティカーをパトカーに採用するようになった。
写真は、第三京浜のパトロール用として1965年に神奈川県警が導入したハイウェイ・パトロール用の「日産 シルビア」(CSP311型)。黒い面積が多い塗り分けが特徴的だ。このほか同時代の名スポーツカー「マツダ コスモスポーツ」も、警視庁や広島県県警に配属され、白黒パトカーとして活躍していた。
5)ポルシェもパトカーに採用されたことがあった
パトカーといえば国産車の採用が基本だが、かつては輸入車のポルシェや「フォード マスタング」なども使われたことがあった。写真は、1967年から京都府警・愛知県警など4府県に、合計4台が寄贈によって配属された「ポルシェ912」のパトカー。
1.6リッター水平4気筒エンジンは、911の2リッター6気筒に比べるとパワーは少なかったものの、それでも120馬力の最高出力と185km/hの最高速度は、当時の日本では十分以上の性能を持ち、東名高速、名神高速で違反車の取り締まりに活躍した。
パトカーの調達にはいろいろな事情があるため、「あんな車種がパトカーになったらいいな」と望んでもなかなか叶わないことも多いが、今後も興味深いパトカーの登場を期待して待ちたい。くれぐれも、それに捕まったりはしないように注意しよう!