楽しく走るために覚えておきたい4つのこと
誰しも経験する初心者がゆえの失敗。しかし場所が高速でクルマを走らせるサーキットともなれば、小さなミスが大きな被害を招く可能性も少なくないのだ。実際に見たり聞いたりしたエピソードを紹介するので、他人事と聞き流さにず同じ轍を踏まないようご用心!
一般道より安全といわれるサーキットで起きる事故。単独なら被害は自分だけと割り切れるが、他の誰かを巻き込むのは非常に後味が悪い。レースで競り合っているなかで発生するケースを除き、もっとも可能性が高いのはオーバーテイクのとき。
1)事故を防ぐためにも抜かれるときは意思表示
頭では「速いクルマが勝手に追い抜いていく」と分かっていても、ビギナーは「譲らなきゃ」という心理状態に陥ることが多く、急ブレーキを踏んだり走行ラインを変えたりして、後続車と接触するケースが少なくないのだ。慣れないうちは意識や視線が前方に集中しがちなので、まずはストレート区間だけでもいいから後方を確認。
速いクルマを先に行かせるのは可能であれば直線の間で自分のラインは変えず、コーナーならインを大きく開けてアウト側を走れば事故が起きにくい。併せてウインカーで意思表示(左によるなら左ウインカー)すればより安全だろう。
2)走行前にキャップ類の閉め忘れに注意
続いてはフラッグの見落とし。とあるサーキットで見たのは、明らかにオイルを垂れ流しているクルマ。当然オレンジボール(車両に何らかの問題があり、ゼッケン番号と一緒に提示される)が出されているのに、ドライバーはまったく気付かずベストなラインを走り続け、他のクルマに危険を及ぼすと判断したコース側は赤旗で走行を中断した。
全周に渡ってオイルを撒いたので処理には相当な時間がかかり、残りの走行はすべて中止され冷たい視線を浴びるハメになった挙句、オイルが減り続けるなか全開走行したせいでエンジンは焼き付いてしまい、おまけに原因はフィラーキャップの閉め忘れだったとか。
同じオレンジボールの見落としでいえば、ボンネットを閉め忘れているクルマもいた。すぐ気付いてスロー走行すれば大事には至らなかったが、走り続けるうちに何かの拍子で開いてしまい、ボンネットどころかフロントガラスやルーフまで被害が。
他車を巻き込まないだけマシかもしれないけど、金銭的および精神的には相当なダメージであること確実だろう。オレンジボールが出るポストはホームストレート、つまり操作にもっとも余裕がある場所が大半なので、そこを通過する際は必ず確認するクセを付けるべし。
3)タイム計測器の取り付け場所は主催者に聞く
次はタイム計測器にまつわる失敗談をいくつか挙げよう。よく聞くのは取り付け場所や方法を間違って計測できなかった話。あとは走行後に外すのを忘れて帰宅し、後日サーキットまで宅配便で返却したなんて人もいる。
もっともこれらは笑い話で済むけど、金銭的に大きなダメージを負った人がいた。彼は少しでも速く計測ラインを切りたい心理か、計測器をフロントバンパーの先端に装着したら、不幸にも頭からコンクリートウォールに突っ込んでしまう。
クルマ自体は全損レベルじゃなかったものの、計測器は誰もが想像できるとおりバラバラに粉砕。修理代にプラスして計測器の弁済で8万円の出費になったそうだ。取り付ける位置や方法は機器によって異なるので、不安ならサーキットのスタッフにや主催者に確認するのが無難だろう。
4)帰路につく前は忘れ物がないか再確認
最後は車内や車上への忘れ物。作業で使った工具をボンネットに、飲みかけのコーヒーが後席のドリンクホルダーに、ポケットから出したサイフをルーフの上にと枚挙にいとまがない。一刻も早くコースインしたい気持ちを抑えて、様々な『置き忘れ』がないかどうか確認しよう。