【TRDスポーツMシリーズ】
2000年代初頭に多くのモデルに設定された「TRDスポーツM」シリーズは、エンジンや足まわりに手が加えられたスポーツコンバージョンシリーズ。
カローラランクスやカローラフィールダーでは、ポート研磨までもがなされてノーマル比+15PSを実現したほか、その他のモデルでも排気系のリファインによって10PSほどのパワーアップがなされていた。
そんなTRDスポーツMシリーズのなかでも、もっとも大きな変更を受けていたのがパッソ(初代)だろう。1.3リッターエンジンを搭載したスポーツグレード「Racy(レーシー)」をベースに、なんと日本仕様には存在しない5速MTを搭載(兄弟車のブーンにはX4にMTが存在)していたのだ。
【コンフォートGT-Zスーパーチャージャー】
タクシーや教習車としておなじみの“働くクルマ”、コンフォートをベースにスーパーチャージャーでパワーアップ。ほかにもTRDスポーツサスペンション、強化ブレーキ、エアロパーツなどを装着したオリジナリティー溢れるコンプリートカーが、2003年に販売された「コンフォートGT-Zスーパーチャージャー」だ。
5ナンバーサイズの2リッターエンジンを搭載したFR車という素性を活かして、80年代のスポーツセダンテイストを盛り込んだ同車。小ぶりなチンスポタイプのフロントバンパーやリアウイング、RSワタナベ製の8スポークアルミホイールを装着するなどして、いわゆる“走り屋”的な雰囲気を存分に漂わせていた。
エンジンはベース車に搭載される3S-FE型エンジンにスーパーチャージャーをプラスすることで、+30PSと+4.0kgf・mのパワーアップを実現。ピークパワーを求めるターボとは異なり、低速域でのトルクが厚くなったことで、扱いやすさを狙ったセッティングとなっていた。
【14R-60】
2014年10月に100台限定で販売された14R-60は、TRDの母体(当時)であるトヨタテクノクラフト創立60周年を記念してリリースされたコンプリートカーだ。
TRDが研究開発用にサーキット専用車として生み出し、ノーマルエンジンで筑波1分1秒台をマークした「86 TRD Griffon Concept」で培った技術をロードゴーイングカーに落とし込んだモデルであり、エンジン本体はノーマルのままだが、専用のエアロパーツに2シーター化やカーボンを多用した軽量化、強化された駆動系やボディはもちろん、サスペンションブッシュまでが見直された本格的なモノだ。
当時の新車価格は630万円と高額だったが、専用パーツを組み込むだけでなく、ルーフをカーボンで貼り換え、ガラスもボディの強度アップのために一度外して高強度なガラス接着剤での再接着作業まで行なわれていた。