不運のクラッシュによりリタイヤ
アメリカでもっとも人気のあるレースシリーズNASCAR(ナスカー)に長年挑戦してきて、現在はナスカー唯一の日本人オーナーとしても活躍している服部茂章氏が代表を務めるチーム「Hattori Racing Enterprises (HRE)」は、ナスカー3大シリーズのひとつ「Xfinity SERIES(エクスフィニティ・シリーズ)」に、今季スポット参戦をしており、その第28戦となる「Ag-Pro 300」に、前戦に引き続いてトヨタGRスープラで参戦した。
今回も前戦同様、HREがフルエントリーしているトラックシリーズとのダブルヘッダーとなる。その舞台は10月3日(土)、アラバマ州タラデガで開催となった。タラデガ・スーパー・スピードウェイは、1周2.66マイル(4.28km)の三角形をしたトライ・オーバルコース。33度とナスカー開催サーキットで最も深いバンクを持つサーキットで常に超接近戦のドラフティング合戦が繰り広げられる。
HREは「#61ADVICS/AISIN GROUP TOYOTA GR SUPRA」を、トラックシリーズでも参戦している若手ドライバーのオースティン・ヒル選手に託しての参戦だ。ナスカーでは、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、このレースも練習走行・予選は行わずに決勝レースのみを行うレースフォーマットを採用している。
この日は、トラックシリーズの決勝が午後1時から行われ、その後の午後4時半にエクスフィニティの決勝レースとなった。スポット参戦の61号車は、くじ引きにより18番手のグリッドを獲得しており、9列目からこのレースをスタート。第1ステージ、第2ステージが各25周、最終ステージ63周の3ステージ、計113周で争われていった。
第2ステージがスタートすると、ヒル選手はクラッシュに巻き込まれないように中団グループで様子を見ながら周回を重ねていた。だが43周目にアウト側にいた車両と軽い接触となり、イエローコーション。ここでチームは再び61号車をピットに戻し、マシンチェックと給油を行い、21番手でコースに戻るものの、その後多重クラッシュが発生し、レースは一時中断となる。第2ステージは残り1周でのリスタートとなり、ここでスタートダッシュを決めたヒル選手は13番手でチェッカーを受ける。
先頭集団ピットイン動向の周回にクラッシュ発生
それは75周目のことだったが、上位の12台が一斉にピットに向かう際にここで、追突が発生してしまうのである。7番手に居たヒル選手は追突されスピンを喫し、イン側の壁にフロントから追突してマシンを大破、ここでマシンを降りることになってしまった。