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マーチが330万円という衝撃! 手組エンジンでわずか30台限定の「A30」の中身が圧倒的だった

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TEXT: 平塚直樹(HIRATSUKA Naoki)  PHOTO: 平塚直樹 ,オーテックジャパン

シリアル入りエンブレムが特別感を増す

 車体関係では、約90mmのワイドトレッド化でロール剛性をアップ。これに伴い、前述の通り、ワイドフェンダーを採用。全幅がマーチの純正ボディに対し、145mm増の1810mmとなっている。リヤビューに映えるセンターデュアルテールマフラー

 また、リヤフロアをスペアタイヤパンが付いた純正から4WD用に交換してフラット化を実施。これにより、剛性アップのためのメンバーを追加することが可能となり、捩り剛性を向上。さらに、前後サスペンションステーなど補剛部品5点の追加も行うなど、専用のボディチューンを行っている。

 足まわりでは、サスペンションのスプリングやショックアブソーバーなどに専用チューンを施すことで、旋回中などでしなやかな動きを実現。ホイールには軽量・高剛性を実現する鍛造フル切削工法による16インチのアルミ製を採用する。アルミ鍛造16インチホイール

 さらに、マフラーには、直系54mmという大径エキゾーストパイプを採用したセンターデュアルテールタイプを装備。高い排気効率を実現すると共に、リヤビューのドレスアップ効果にも貢献している。センターデュアルテールタイプマフラー

 内装では、フロントシートにホールド性と快適性が抜群なレカロ製LX-F IM110を採用。専用の本革巻き3本スポークステアリングや、アルミ製のペダル類(アクセル・ブレーキ・クラッチ)やフットレストも専用パーツだ。レカロシート、本革巻きステアリング

 加えて、速度計が220km/hまで、回転計は9000rpmまで刻まれたコンビメーターも雰囲気満点。オーナーに「自分だけの特別な1台」を実感させるシリアルナンバー入りのセンタークラスターエンブレムが、このモデルにさらなるスペシャリティ感を演出している。限定30台の記念エンブレム

なぜマーチだったのか? 

 レースのノウハウを活かした高い技術力、ユーザーフレンドリーな乗り味やデザイン、そして名匠とも言える熟練の職人がハンドビルドで作ったクルマ。そして、そういった特別感が、当時の自動車メディアなどでも数多く紹介されることで話題を呼び、「330万円もするマーチ」が即完売となったのだ。

 ちなみに、このモデルは1台を製作するのに約1か月、予定の30台を約半年かけて生産したほど手間が掛かったクルマ。また、オーナーへの出荷前には、栃木県にある日産のテストコースで、1台1台を実走テストしたという。1台製作に約30日を要するほどの手の入れよう

 ところで、少し疑問がある。なぜオーテックジャパンは創立30周年記念車のベースになぜマーチを選んだのだろうか? その理由を同社は「(1986年の創立以来)今までマーチをベースとした様々なカスタム車を手掛けてきた」ことと、それにより「多くのノウハウを蓄積して成長してきた」からだという。

 オシャレ系のボレロ、日本初の回転シートを装備した福祉車両、110psを発揮したスポーティ仕様の12SRなど、いずれも同社にとって新たなトライをする時のベース車はマーチだったのだ。マーチに込められるオーテックの思い

 また、ユーザーからの熱い要望も後押ししたという。

 今までも同社では販売こそしなかったものの、K11型マーチをミドシップ化しSR20エンジンを搭載したMID-11、K13型マーチをワイドボディ化しチューンした1.5Lエンジン搭載のボレロRなども製作している。

 それらは、年に一度開催する同社のファン感謝祭「AOG湘南里帰りミーティング」やほかの各種イベントに展示したり、実走行させてきたが、その度に集まったファンから「ぜひ販売して欲しい」との声が多かったという。

 マーチに対する同社の熱い思い入れとユーザーからの要望。それらがうまく化学反応を起こすことで生まれたのが、この希有なカスタム車マーチ ボレロA30なのだ。オーテックの技術が集大成されているマーチ ボレロA30

 余談だが、同社はこれまでも創立10周年にラシーンの駆動方式をFR化したモデル「A10」、創立25周年にはV36スカイラインのカスタム車「A25」を製作した経緯がある。

「A30」のネーミングはその流れが由来とのことだが、以前の2台は販売していない。つまり「創立記念車を販売する」という、同社として初めての試みに使ったベース車もマーチ。これも、つくづく作り手の「マーチ」愛を感じるエピソードだ。

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