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F1直系のカーボン車体に飛行機ばりのエアブレーキ! 億超えもあった伝説の「SLRマクラーレン」の衝撃

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: ダイムラー、マクラーレン

6種類のボディバリエーション

【SLRマクラーレン・クーペ】
SOHC V型8気筒5.4Lスーパーチャジャー付き、626PS/79.5kg.m。電子制御5速AT、駆動方式はFR。0-100km/hは3.8秒。価格は5985万円。カラーはシルバーとブラックの2色のみでそれ以外はスペシャルオーダー。日本で正規輸入された台数は22台と言われている。全長4656mm、全幅1908mm、全高1261mm、ホイルベース2700mm、車両重量1768kg、タイヤサイズ前245/40R18・後295/35R18。標準モデルといえる「SLRマクラーレン・クーペ」

【SLRマクラーレン722エディション】
2006年パリサロンで高性能バージョンとして発表。722は1955年ミレ・ミリアでスターリング・モスが300SLRで優勝した時のカーナンバーでスタート時間の午前7時22分を表す。エンジンフ-ドサイドにこの722のエンブレムが施される。世界限定150台の販売で、専用のスポーツサスペンションやカーボンエアロパーツを装備。セミアニリンレザー&アルカンターラのカーボンファイバー製フルバケットシート等インテリアも上質でレーシー。価格は6300万円。エンジンはSOHC V型8気筒5.4Lスーパーチャジャー付き、650PS/83.6kg.mとなり、0-100km/hは3.6秒、最高速度は337km/hと速くなった。2006年パリサロンで高性能バージョンとして発表された「SLRマクラーレン722エディション 」

【SLRマクラーレン・ロードスター】
2007年5月発表のSLRマクラーレンのオープンモデル。性能はSLRマクラーレンクーペモデルとほぼ同じ。ソフトトップの開閉はセミオートマチック機構を採用し、フロントウインドシールド上部のロックを解除し、センターコンソールのスイッチを操作すれば、約10秒で開閉が可能。また、ボディ剛性確保と横転時の安全確保の為、Aピラーを補強し、シート後部にセーフティロールケージを装備。その後方には、オープン時の風の巻き込みを防ぎ乗員の快適性を保つドラフトストップを新たに装着。価格は7000万円でクーペモデルより、約1000万円高。 2007年5月発表のSLRマクラーレンのオープンモデル「SLRマクラーレン・ロードスター」

【SLRマクラーレン722 Sロードスター】
2009年に発表した722のロードスターバージョン。エンジンパワー、加速性能、最高速度もほぼ同一。世界限定150台の販売で、日本では2台販売されたと言われている。価格は7300万円。2009年に発表された世界限定150台の722Sロードスター

【SLRマクラーレン722GT】
722をベースとしたワンメイクレース用モデル。メルセデス・ベンツ認定の基にRay Mallock社(イギリスのモータースポーツエンジン製作会社)より21台製作された。

【SLRスターリング・モス】
2009年、北米国際オートショーで発表された75台の限定車で、同年の6月~10月にデリバリー。日本では2台のみ販売され、1億1000万円の価格が付けられた。伝説の名ドライバー「スターリング・モス」の名を冠し、サイン入り。購入資格はSLRのオーナ-に限定。往年のレーシングカーである300SLR(W196S)をデザインイメージし、ルーフとフロントウインドシールドを無くし約200kgの軽量を実現したスピードスターのスタイル。このモデルでメルセデス・ベンツとマクラーレンによる共同製作は終了した。日本では2台のみ販売され、1億1000万円の価格が付けられた「SLRマクラーレン・スターリング・モス」

 2009年5月をもって生産を終了し、同時に市販車に関する両社の共同事業契約も終了となったため、その直系の後継車は存在しない。ちなみにその後、2010年6月に初のAMG専用モデルとして「SLS AMG」がメルセデス・ベンツより発表されたが、このSLS AMGのモチーフはF1や300SLRではなく、1954年の市販車・300SLである。1954年の市販車・300SLの系譜を受け継ぐ「AMG SLS」

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  • マクラーレン・テクノロジーセンターの外観
  • マクラーレン・テクノロジーセンターの全景
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  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
  • 1949年生まれで幼少の頃から車に興味を持ち、40年間に亘りヤナセで販売促進・営業管理・教育訓練に従事。特にメルセデス・ベンツ輸入販売促進企画やセールスの経験を生かし、メーカーに基づいた日本版のカタログや販売教育資料等を制作。またメルセデス・ベンツの安全性を解説する独自の講演会も実施。趣味はクラシックカー、プラモデル、ドイツ語翻訳。現在は大阪日独協会会員。
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