「プリマドンナ」に「オートクレージュ」! 昭和クルマ好きが反応せずにいられない名作も登場
10月上旬に岡山国際サーキットで開催された、軽自動車だけの全国オフ会「KING OF K-CARミーティング」。コロナ禍の状況を踏まえ、会場入り口での検温や問診票の提出、会場内でのマスク着用、手洗いの徹底と消毒液の設置など、今やお馴染みのコロナ対策のもとでの開催だった。
当初は参加台数の激減も懸念されたが、フタを開ければカスタム軽カーばかりが何と380台集結。どのクルマも個性的だったが、特にホイールはそのクルマのキャラクターが反映されやすいため、各ユーザーが力を入れている部分。そこからその時人気のデザインやカラーリングが見えてくるのだが、逆にそんなトレンドには一切乗らない、唯一無二のユーザーも多数いるから面白い。今回はそんなユーザー車5台を紹介していく。
1)BBS RS プリマドンナ
ワゴンRが履いているホイールは世界的なホイールメーカー、BBSの人気モデルとなる「RS」の、さらに特別仕様となる「プリマドンナ」。バルブ期に販売されたこのホイールは、通常のRSとは異なるホワイトディスクに塗装され、六角キャップやピアスボルト、エアバルブに何とゴールドメッキが奢られている。当時、新品4本で数十万円もしたという、まさにバブルの象徴のようなモデル。
そんなホイールを指名したオーナーのKさん、現在の年齢は20代前半。先述したように、通称「プリ」が特別なホイールだった事は当然ながら「全く知らない」そう。「憧れの先輩が履いていて、たまたまホイールを譲ってくれるという話が自分に回ってきたんです。もちろん即決でした。プリの背景はよく知りませんが、これが特別なホイールで、それとなくオーラがあるってのは、履いただけでも分かります。実際、周りの人に声をかけられた時もホイールの話が多いです」。
既に登場から約30年が経つホイールだが、今なおクルマ好きの足元、しかも当時生まれてもいない若者に評価され、履かれているというのは何とも素敵なお話だ。
2)ルノー純正
どんなジャンルであれ「できるだけ人と違う、カッコいいモデルを履きたい」と考える人が多いホイールカスタマイズ。例えば激レア品や絶版モデル、オリジナルサイズにカラーなど、そのアプローチ方法は色々だが、ダイハツ・ミラココアに乗るJさんは外車の純正ホイールに目を向けてきたのがポイント。
センターキャップをご覧頂ければ一目瞭然、ルノー用である。ミラココアは欧州車テイストにイジりたかったのもあって、コンセプトにマッチしたのが履かせる決め手だったという。具体的にルノーの何用なのかを聞いてみると「被るのが嫌なので、そこはナイショ。といっても、気になった方はご自分で調べて頂ければ分かると思います」。
一般的には軽にルノー用のホイールなんて入るの? と思うが「リム幅は前後7インチ。“Jラインリアアクスル”を入れ、さらにフェンダーを小加工して入れました。ただあくまでも軽なので、純正のフェンダーにちゃんと収まる事にもこだわりました」。
合わせてブレーキも社外品に交換。軽自動車のリアブレーキはほとんどドラムタイプなのだが、見た目のバランス重視でリアをディスク化。実はさり気ない大技である。ピンクのキャリパーとゴールドのベルハウジングが白ボディに対してアイポイントになっている。
3)ワーク マイスターM1(オリジナル塗装)
たとえ市販されているホイールであっても、人との違いは出せる。それを証明しているのがCさんが乗るムーヴ。履いているのは大阪のホイールメーカー・ワークの「マイスターM1」。デザインが気に入って選んだというが、ポイントは何といってもその色。ワークには設定のないチタンカラーになっている。
「実はチタンではなく、チタン風塗装です。大阪オートメッセの、とあるブースで出展されていたもの。ちょうど1セットだけ残っていたものを、お店の人に勧められて買いました。今だから言うと、当初個人的にはそれほどでもなかったんです(笑)。ちょっと奇抜過ぎる気もしたし、果たして似合うのかな、と。周囲の後押しでいざ履いてみると悪くないし、何よりも誰とも被らないのがいいです。やっぱりホイールに関する質問で声かけられる事が多いですね」。
イカついフロントフェイスが気に入って買ったという、LA100Sムーヴカスタムの後期モデルは、車高調と加工済みアクスルでローダウン。いっぽうの内装は「ギャップを持たせて女の子っぽく」と、友達に手伝ってもらいながらDIYで張り替えた。もともとピンクが好きということもあり、シートカバーや自分で張り替えた難燃性のスウェード生地はピンクで統一している。