家族の要望に答える4人乗りキャロルへ
R360クーペは実質的には2人乗りでしたが、家族に1台のクルマとしては4人乗りが必要、との声も多くありました。そんな声に応える格好で62年に登場したのがより乗用車らしくなったキャロルでした。
こちらは、61年のモーターショーにマツダ700として参考出品された小型乗用車をベースに、ボディとエンジンを軽自動車枠の中に収めたもの。R360クーペに比べてホイールベースを170㎜延ばすとともに、フロントのノーズ部分とリアのエンジンルームを少しずつ切り詰め、その分キャビンを前後に伸ばしたことでフル4座のキャビンスペースを確保していました。また1年後には軽乗用車初の4ドアセダンも追加されています。
キャロルのエンジンはOHVながら総軽合金製の直列4気筒で、これもR360クーペに比べて車格を一段引き上げることになりました。なおエンジン排気量を600㏄に拡大、小型乗用車としたキャロル600も62年11月に登場しています。
その後マツダはファミリア、ルーチェ、ロータリー・エンジン(RE)搭載するスポーツカーのコスモ・スポーツと矢継ぎ早に魅力的な新型車を投入。フルラインナップを持つの総合自動車メーカーへ発展していきます。