特定車両にピットインを命じるフラッグ
そのほか、オレンジ色の円形が描かれた黒旗「オレンジボール」は、車両にトラブルがあり、自身や他車に危険を及ぼす可能性がある場合に提示される警告用のフラッグで、ゼッケンボードで指定された該当ドライバーは次の周回時にピットインを行い、マシンの修復をしなければならない。
さらに、黒と白が斜めに分割された「ブラック&ホワイトフラッグ」はスポーツマンシップに反する行為を行ったドライバーに提示される警告旗だ。
さらに重大なアクシデントの原因となったり、ペナルティ無視やシグナル無視のような違反を犯したドライバーには失格を意味する「ブラッグフラッグ」が提示される。当該ドライバーはピットインを行い、オフィシャルの指示に従うなど、サッカー競技では退場のレッドカードのようなものだ。このようにレースのコース上では全ての情報がフラッグで伝達されているのだ。
ちなみに国旗、日本の場合は「日の丸」となるが、これもモータースポーツでは意味のあるフラッグで、競技のスタートの合図として使用されている。
近年のレースではシグナルの点灯/消灯でスタートの合図を知らせるが、シグナルが故障した際には日の丸が使用されるほか、ラリー競技ではセレモニアルスタートの際に国旗がスタートの合図として使用されるなど、モータースポーツシーンで国旗を目にするシーンは少なくない。
近年はサーキットの付帯設備が充実していることから、イエローコーション、レッドコーションなどをコースサイドのシグナルで伝達するシーンも増えてきた。またアメリカのオープンホイールレース、インディカーシリーズは独自のフラッグルールを採用していたりもする。とは言え、ここで紹介したフラッグは国内外のカテゴリーともにほぼ同一の意味を持っているので、レース観戦の参考としてチェックしておきたいものだ。