メルセデス・ベンツ車造りの定義
メルセデス・ベンツは周知の通り、創始者ゴットリーブ・ダイムラーとカール・ベンツによって造られた。彼等2人の信念が今日のメルセデス・ベンツ車造りに脈々として受け継がれている。特に、ゴットリーブ・ダイムラーのモットーである「最善か無か」は、今もメルセデス・ベンツ車造りの哲学の中核。つまり、メルセデス・ベンツに応用される技術はその時代において最高のものであり、しかもメルセデス・ベンツを使用するお客様にとって利益のある有効なものでなければ採用されない。
また、メルセデス・ベンツの車造りには、一貫したポリシーがある。それはその時代の最高の技術を車に反映させ、「安全で高品質」なメルセデス・ベンツを造ること。つまり、メルセデス・ベンツのエンジニア達は優れた個々の技術を如何にうまく組み合わせ、自動車の求める総合性能のバランスを納得ゆくまで追求し、安全で高品質な車を造ることにある。そして車を安全に造ることは義務であり、同様に経済的に走るように努めるのが義務であるとしている。
特に、最近は自動運転、高効率や環境適合性の技術が求められているのが世界的な時流。これに対するメルセデス・ベンツの車造りの答えは、2016年10月のパリモーターショーの会場で、メルセデス・ベンツのディーター・ツェッチェ取締役兼会長が発表した中長期戦略「CASE」。CASEとは、Connected(インターネットを介して外とつながる)、Autonomous(自動運転)、Shared(所有せず共有する)、Electric(電動化)の頭文字をとったもの。この4項目は、本当の産業革命を起こすメガトレンドと言われ、近年様々な場面でアピールが繰り返されており各メーカーもこのCASEに取り組んでいる。この最新革新技術が、福祉車両に最優先に採用されるべきであると言えるだろう。
メルセデス・ベンツ福祉車両のポリシーは「安全」「高品質」「耐久性」「自由な移動」
メルセデス・ベンツ車造りの哲学は、この福祉車両にも受け継がれている。2010年以来、メルセデス・ベンツは各モデルで現在14の実用的な運転補助装置を提供している。それは、操作及びステアリング補助装置からペダルの変更、便利な出入り口の技術に至るまで多岐に亘っている。
メルセデス・ベンツの福祉車両は安全で自由に移動できる。ファクトリーで取り付けられたメルセデス・ベンツの運転補助装置は、障害を持つ人々が自動車の独立性で楽しむことを可能にしている。メルセデス・ベンツの運転補助装置は、ファクトリーから直接手に入れる事ができ、全ての製品は充分に検査、テストし、最終的にメルセデス・ベンツの開発部とエンジニアリング部で組み立てる。安全と高品質は、メルセデス・ベンツのエンジニア達の最優先事項で、メルセデス・ベンツの高い基準を満たしている。
メルセデス・ベンツが組み立てられた後、ジンデルフィンゲンの「カーモディフィケーションセンター」に到着すると、特別にトレーニングされたクラフトマンが選択された運転補助装置をメルセデス・ベンツの車両に手作りで取り付ける。そして、運転補助装置を取り付けた後、全てのメルセデス・ベンツは独立した自動車専門協会で安全検査が実施される。
メルセデス・ベンツは、身体障害者でないドライバーによって車を動かす機能が十分維持できる事を重視する。特筆は、標準仕様で十分効果を発揮する安全装備、例えば、ステアリングホイールのSRSエアーバッグやニィーバッグ等、身体障害者のコンポーネンツとの組み合わせを最重要視している事である。さらに、メルセデス・ベンツの運転補助装置を取り付けしても、配偶者や全ての家族を含めて使用する事が出来る構造にしている。これは取り外すことも可能で、全ての人々にドライビングプレジャーを与える事を意味しているわけだ。
メルセデス・ベンツモア・モビリティセンターのスペシャリストが、身体障害者の自由なモビリティの相談やアドバイスをする。ドイツにはこのメルセデス・ベンツモア・モビリティセンターが24箇所もある(北のハンブルク~南のミュンヘンやフライブルク)。
ここでは、住居の近くに同センターが無い場合でも運転補助装置をいずれのファクトリーでもオーダーできる様に連絡を取ってくれる。メルセデス・ベンツでは複雑な改造をしなくてもよく、運転補助装置を簡単に手に入れる事が出来る。つまり、メルセデス・ベンツの運転補助装置はファクトリー以外にメルセデス・ベンツ各支店や正規のメルセデス・ベンツディーラーでも簡単にオーダーできる。