メルセデス・ベンツの運転補助装置と手動コントロールシステム
次に、メルセデス・ベンツ福祉車両の主な製品を紹介しょう。
①「Classic」ハンドコントロールユニット ハンドルを時計回りに回すだけで加速する。レバーを前方に押すとブレーキが作動する。ボタンを押すだけで安全にブレーキをかけることができる。人間工学に基づいた設計により、長距離でも疲労の無い運転が可能。しかも、オリジナルのアクセルペダルとブレーキも使用できる。
②「Easy Speed」ハンドコントロールユニット 最適なレバーの動き、簡単な操作!コントロールレバーを少し下に動かすと加速し、上部のみが動く。コントロールアーム全体を前方に押すことでブレーキをかける。このようにして、レバーの動きを最大限に活用することができる。もちろん、コントロールアームを使用してブレーキをロックすることもできる。「イージースピード」を使用すると、最も狭いハンドコントロールの1つを使用できる。つまり、足元全体のスペースが広くなり、運転席の長さを調整できる。
③「Multima Pro」ハンドコントロールユニット 高品質の「Multima Pro」ハンドコントロールユニットは、セルフドライバーにとって便利。前方に押すとブレーキがかかり、後方に引くと加速する。レバーの全長はブレーキの操作に使用。また、標準のアクセルペダルとブレーキペダルも使用可能。細くデザインされた「Multima Pro」は、足元のスペースを広くし、機能的なデザインが魅力で、運転席を前方に調整できる。
④ステアリングホイールノブ 人間工学に基づいたステアリングホイールノブにより、片手でステアリングホイ-ルを安全で便利に操作できる。このノブはSRSエアーバッグが機能し続けようにエアーバッグの下に配置。また、プッシュボタンでブラケットから簡単に取り外せる。
⑤多機能ロータリーノブ「MFD TOUCH」「MFD TOUCH」は、ハイビーム、インジケーター、ホーン、ウンドシールドワイパー等をリモートコントロールする。人間工学に基づいたキーパッドで、素早く簡単な操作が直感的にサポート。さらに、これらの機能は全て、ステアリングを離さずにできる。
⑥アクセルリング 手動運転装置で、両手は常にハンドル位置でリングを引く、あるいは押すことによりアクセルコントロールする。
メルセデス・ベンツの快適に乗り降りするためのペダルと技術
①電気ペダルの再配置 電気ペダルの再配置で、フットペダルの左側に追加のアクセルペダルが取付られている。右のアクセルペダルはそのまま。 センターコンソールの安全電子スイッチを使用して、出かける前に左または右のアクセルペダルをアクティブに切り替える(カラーボタンで表示)。この安全電子スイッチは、運転中にペダルが切り替えられるのを確実に防止する。
②ペダルの増加(高くする) ペダルを高くすることで、ドライバーがペダルに簡単に届くようにする。必要に応じて、ペダルを最大10cmまで高くすることができる。ペダルは元のペダルに差し込むだけなので、簡単に取り外し可能。オリジナルのペダルは常に完全な機能を保持する。
③ペダルカバー ペダルカバーはハンドコントロールユニットの補足として機能。フットペダルシステムの偶発的な作動を確実に防ぐ。必要に応じて、ペダルカバーを簡単に取り外して、元のペダルをパートナーや家族が自由に使用できる。
最新世代の「Tunny-Evo」の回転・下降・上昇の動きは、電動式でリモートコントロール。下降時の終了位置はプログラム可能であるため、助手席側で快適な乗り降りを保証。CEマーク(欧州安全規制適合製品)が付いており、クラシュテストが行われ、最大150kgの吊り上げが可能。
⑤乗降口のガード 2つの機能を備えた乗降口のガード。シルモールディングを損傷や引っかき傷から保護し、また、乗り降りの時に衣類が汚れないように保護する。スマートな折りたたみ式で足元に収納できる。
メルセデス・ベンツの車椅子サポート
①車の横方向からの昇降スロ-プ装置 車椅子を横方向から昇降することができる。ボタンを押すだけで、スライドドアを運転席から開くことができ、車椅子を昇降することができる。これには、38kgまでの折りたたみ式電動車椅子が適している。1つの利点としてトランクは完全に活用できる。
②リアやルーフに車椅子を収納する装置 このシステムでは車椅子を車内または車両に持ち上げた後、何の努力をせずにトランクやル-フにしっかりと固定できる。50kgまでの折りたたみ式車椅子に適している。
③車両のフロアーを低く改造(バン) 車両内のフロアーを低くし、スロープも低くなり車椅子ごとそのまま乗り込める。車椅子は4点式で車両に固定され、車椅子の乗客は3点式シ-トベルトで固定される。
福祉車両にも反映するインテリジェントドライブ
現在のメルセデス・ベンツは福祉車両にも必要な装備として、かってないレベルで自動運転へと近づいたインテリジェントドライブを標準装備している。
その例が、ステアリングに手を添えているだけで、自動加減速とステアリングアシストで前走車との最適な距離を維持し、車線もキープするアクティブアシスト・ディストロニック&ステアリングアシストや360°カメラ付きパーキングパッケージだ。
また、言葉や動作等で自分の好みや学習をサポートする革新のインフォメーションシステムであるMBUX(メルセデス・ベンツユーザ-エクスペリエンス)やMercedes me connectデジタル・カーライフが主流となり、最適な移動を提供する「MaaS」(Mobility as a Service)で新たに、より豊かな生活が始まっている。
(参考文献&写真=Mercedes-Benz More Mobility Ratgeber&Fahrhilfen ab Werk)