熱くなりすぎる前の「クーリングラップ」
続いてはアタック後もしくは途中で挟むクーリングラップ。暖機とは逆に油脂類やタイヤやブレーキが熱を持ち過ぎても、性能が低下したり各部にダメージを与えたりするので、速度や回転数を抑えて回復するのを待とう。
特に効果的なのはラジエーターやインタークーラーに風がよく当たり、ステアリング操作もいらない長いストレート区間。エンドも手前からエンジンブレーキを使い、フットブレーキは全開時に踏み始めるポイントより手前から、じわっと優しいペダル操作で減速させるのがセオリーだ。
丁寧な操作でクルマの負担低減
さらに全開走行中といえども、クルマをいたわることはできる。エンジンならレブリミッターが効くまで回さず、少し手前でシフトアップすること。レブリミットは「ココまでなら回しても壊れない」という限界だが、高回転域を使えば使うほど油温や水温は上昇し、オーバーヒートや油膜切れを起こす可能性がある。それにレブリミット付近はパワーやトルクが追従せず、ダラダラと回っているだけのエンジンもあり、上のギヤを使ったほうがタイムアップする場合が多い。
シフト・ブレーキ・ステアリングを力み過ぎず操作するのも大事。ムダな力が入っているとシフトミスを誘発しやすく、シフトダウンのときならオーバーレブとなって、最悪はエンジンブローもあり得る。ステアリングやブレーキも正確な操作ができなくなるほか、タイヤやパッドのトラブルに繋がるので要注意。ドラテクの基本である「優しく丁寧な操作」は速さだけじゃなく、大切な愛車を傷めないためにも必ず身に付けておきたいテクニックだ。