クルマを操作しているという味わいが深いMT車
クルマを操る醍醐味を感じられるMT車。しかし操作をミスしたり何気ないクセが、意外なトラブルを引き起こす可能性もある。愛車を労わりつつサーキットを楽しむため、MT操作で注意すべきポイントを挙げてみよう。
シフトミスでエンジンダメージも
自動でシフトアップやシフトダウンしてくれるATと異なり、MTはクラッチを含めすべての操作をドライバーが行なう。つまり速さや楽しさといった魅力がある反面、失敗によるリスクも避けては通れないのだ。もっとも気を付けたいのは、シフトミスによるオーバーレブ。
例えば3速から4速にシフトアップするときを想像してみよう。真っ直ぐ下にシフトノブを動かすだけなので、失敗なんてしようがないと思うかもしれない。しかしサーキット走行で緊張しているせいで、シフト操作をする手に余計な力が入りすぎ、4速ではなく左斜め後ろの2速に入れてしまった、なんて失敗は割とよくある話だったりする。
シフトアップ時ならレブリミッターが作動するため致命傷は避けられるが、シフトダウンはリミッターが効かないので一発でエンジンブローする可能性が高い。金銭的にも精神的にもダメージは甚大なので、街乗りと同じように優しいシフト操作を心がけよう。
クラッチペダルへの注意点
もうひとつは操作というより運転のクセ。素早くギヤチェンジしたい気持ちが先走るのか、クラッチペダルに足を乗せっぱなしの人がいるという。この行為がダメな理由はふたつあり、まずはクラッチの摩耗が進むことだ。
本人が気付かないうちに半クラッチ状態になり、それが長く続けば続くほどクラッチ板は減っていく。もうひとつは左足で身体を支えられず、シフトノブを握る手に余計な力がかかり、冒頭にも挙げたシフトミスを誘発しやすいこと。
またクラッチペダルに足を乗せっぱなしにしていると、レーシングシューズの左足だけソールが減りやすいという話も聞く。いずれにせよ百害あって一利なしのクセなので、意識してフットレストに左足を置くようにしたい。