数こそ減ったが入門モデルは今なお存在
運転技術を磨きたい! と思ったとき、真っ先に思いつくのが後輪駆動モデルではないだろうか。確かにフロントで操舵、リアで駆動を受け持つ後輪駆動レイアウトは、クルマを自由自在に操るにはもってこいの駆動方式である。
しかし、最近では目ぼしい後輪駆動レイアウトの新型車がなかなか登場せず、また存在していてもかなり大きな(ボディサイズ、排気量ともに)ものが中心となってしまっており、1990~2000年代のスポーツカーは軒並み高騰というのが現状だ。
もちろんFFレイアウトでもドライビングテクニックを磨くことはできるのだが、今回は後輪にも駆動力が降り分けられる4WD車にスポットを当ててみた。後輪駆動車は100万円オーバーがスタートなところ、100万円以下から選べるものをチョイスしてみたぞ。
1)ダイハツ ブーンX4
ダイハツの乗用車のボトムラインを担うブーン。軽自動車からのステップアップというよりは、とにかく手ごろな普通車が欲しい層に向けたクルマといった感じで、営業車などで使われている姿を見ることも多いモデルだ。
それだけに分かりやすいスポーツモデルは存在せず(見た目だけスポーティな「カスタム」は存在したが)、モータースポーツとは無縁のような車種と思われるかもしれない。しかし、ブーンにはまさにモータースポーツのみをターゲットにしたグレードが存在していた。それが「X4」である。 このX4は、936ccのターボエンジンを搭載してセンターデフを持つ本格的なフルタイム4WDシステムを持つグレード。中途半端な排気量は、当時のターボ係数をかけても1.6リッター以下のクラスに入れるように逆算したものだったのだ。
このグレードはモータースポーツに参加するユーザーに向けてひっそり販売されていたため、現在の中古車流通台数はそこまで多くはないが、安いものでは50万円台から見つけることができる。見た目はボンネットに大きなエアダクトが備わる以外はいたって普通のブーンのエアログレードなので、悪目立ちすることもないだろう。