数こそ減ったが入門モデルは今なお存在
運転技術を磨きたい! と思ったとき、真っ先に思いつくのが後輪駆動モデルではないだろうか。確かにフロントで操舵、リアで駆動を受け持つ後輪駆動レイアウトは、クルマを自由自在に操るにはもってこいの駆動方式である。
しかし、最近では目ぼしい後輪駆動レイアウトの新型車がなかなか登場せず、また存在していてもかなり大きな(ボディサイズ、排気量ともに)ものが中心となってしまっており、1990~2000年代のスポーツカーは軒並み高騰というのが現状だ。
もちろんFFレイアウトでもドライビングテクニックを磨くことはできるのだが、今回は後輪にも駆動力が降り分けられる4WD車にスポットを当ててみた。後輪駆動車は100万円オーバーがスタートなところ、100万円以下から選べるものをチョイスしてみたぞ。
1)ダイハツ ブーンX4
ダイハツの乗用車のボトムラインを担うブーン。軽自動車からのステップアップというよりは、とにかく手ごろな普通車が欲しい層に向けたクルマといった感じで、営業車などで使われている姿を見ることも多いモデルだ。
それだけに分かりやすいスポーツモデルは存在せず(見た目だけスポーティな「カスタム」は存在したが)、モータースポーツとは無縁のような車種と思われるかもしれない。しかし、ブーンにはまさにモータースポーツのみをターゲットにしたグレードが存在していた。それが「X4」である。
このグレードはモータースポーツに参加するユーザーに向けてひっそり販売されていたため、現在の中古車流通台数はそこまで多くはないが、安いものでは50万円台から見つけることができる。見た目はボンネットに大きなエアダクトが備わる以外はいたって普通のブーンのエアログレードなので、悪目立ちすることもないだろう。
2)スバル インプレッサSTi(2代目)
日本が誇るラリーウェポンとして名高いインプレッサSTI。海外でも高い評価を集めているだけに、高値安定かと思いきや、意外にも手ごろな価格のものも存在しているのが2代目モデルだ。ベース車のWRXの250PSに対して当時の自主規制値マックスの280PSを発生するEJ20ターボエンジンを搭載したSTIのポテンシャルは現在でも十分に通用するものと言えるだろう。
100万円以下で狙えるものは、初期型の丸目ヘッドライトを持ったものが中心となっているが、ごく稀に中期型の涙目ライトの個体も存在している。ただし、どれも距離は10万キロオーバーとなっており、購入後のメンテナンスも考慮しなければならないと思うが、元々マニアックなユーザーが乗っていることが多いモデルだけに、基本的なメンテナンスがなされている可能性も高い。
また、STIにこだわらなければベースとなったWRXのターボモデルはもっと安価&低走行なものを見つけることもできる。WRXをベースにSTIパーツを流用してポテンシャルアップを図るのも面白いかもしれない。
3)スズキ ジムニー(先代型)
モータースポーツ、というと、とかくスピード競技のイメージが強いかもしれないが、クロスカントリー競技というものも存在する。これは普通のクルマでは到底走れないような悪路をコースとし、そこを走破するのだが、純粋にゴールまでのタイムを競うタイムトライアルのほかに、技術を競うものもある。
これは、コースをいかにスムーズにクリアできるかを競うもので、バックやスタック(停止)などをすると減点がなされ、最も減点が少なかった選手が優勝となるもの。もちろん規定タイムも存在するので、ゆっくり走ればいいというものでもない点が面白いところだ。
そんなクロスカントリー競技にピッタリなのが、言わずと知れた軽自動車クロスカントリーSUVの雄、ジムニーである。ワンメイク競技かと思うほど参加者からの支持を受けるジムニーは、現行型こそ未だに納車待ちが長く続いているが、先代モデルであれば安いものでは10万円台から見つけることができる。
もちろんアフターパーツの豊富さは言うまでもないし、軽自動車ということで維持費も抑えられるので、遊び専用のクルマとして割り切るのも大いにアリではないだろうか。