チームメイトと力を合わせ牽引もウインチングもOK!
例え針の穴に糸を通すような正解のラインを見つけたとしても、路面コンディションやタイヤのチョイス、マシン性能によっては走破できないポイントもある。では、そんな悪路をどうやってクリアするのか。
それはオフロードならではの装備やテクニックが必要だ。レギュレーション上は必須ではないが、大抵のチームが牽引ロープ、スナッチブロック、S字フック、ツリープロテクター等のレスキュー用品を積載している。
また、電動ウインチを装備している車両も多いが、ワイヤーロープの使用は禁止されているためファイバーロープを装備する必要がある。ちなみに、スタート時点で積載している用具以外を使用することもNGだ。
これらはスタック(ぬかるみ等にはまって立ち往生している状態)した場合に脱出したり、他車をレスキューしたりするための装備だが、XCT-Dualではチームメイト同士によるレスキューが認められている。ポールタッチやテープカット、横転は失格になるが、後退や牽引、ウインチング等はOK。とにかく主催者が設定した意地悪なコースを走破すれば良いのだ。
ちなみに最低限のレスキュー用品はレースに限らずオフロード走行する上での必携アイテムなので、四駆に乗り始めたら、未舗装路や雪道を走る前に購入してほしいアイテムだ。
オフロードを走るためのすべての要素が必要
つまりコンマ1秒を争うような繊細なライン取りは要求されないし、マシン性能やドラテクがあれば勝てるというわけでもない。むしろ戦略やチームワーク、正しいレスキュー方法など、オフローディングに必要なスキルをいかに持っているかのほうが重要だったりするのが、このレースの醍醐味。
とにかく、選手たちが大声でチームメイトに呼びかけ、息を切らして急坂を登って木に牽引ロープをかけたり、泥にまみれてウインチロープをもって走る姿はまるで大人の大運動会を見ているようだ。
テクニカルなセクションではエンジンの回転数を上げて何度もアタックしたり、ボディをキャンバーに擦りながらも果敢に攻める姿は大迫力。際どいラインにチャレンジしたり、激しく攻めすぎて横転してしまうことも珍しくなく、まさにオフロード界のエクストリームスポーツといった感じだ。