海外では6800万円で売りに出たというニュースもあった
ちなみにドライブシャフトはカーボン製。シャシーもワークスならではの仕事っぷりで、ボディは一度ホワイトボディの状態にし、ドアまわりをスポット増し。一部にはCFRPの成形品を張り込んで剛性アップを図り、レーシングカーづくりのノウハウを注ぎ込んでいる。
サスペンションはF1マシンやGT500でおなじみのザックスのダンパーでチューニングし、ジオメトリーやブッシュ類も専用チューン。ブレーキもブレンボのスペシャルで大容量化し、ABSもオリジナル仕様。エアロパーツもGTマシン直系の空力&冷却優先デザインで、フロントフェンダーは片側15mmもワイドになった。ボディカラーも「Z-tuneシルバー(KY0)」というコンプリート専用色を用意していた。
シートも一般的なクロームで鞣したレザーではなく、高級なタンニンレザーとアルカンターラの組み合わせ。オーナー限定のナンバリングプレートのついたカーボン製のアタッシュケースやエクセーヌ製の車検証ケースもついていた。
エアコン・オーディオのついたロードゴーイングカーでありながら、筑波サーキットのラップタイムは1分フラット、ゼロヨン10秒フラット……という俊足っぷりを見せた。
最終的な生産台数は「NISMO R34GT-R Z-tune Proto」と保存車の2台を含め19台。うち、13台が日本国内、4台がオーストラリアやタイなど海外に割り当てられたので、これまでも中古車市場に出回ることはほとんどなかった「NISMO R34GT-R Z-tune」。海外で6800万円で売りに出たというニュースもあったが、お金で買えない価値のあるクルマになりつつある。