「もう一度バイクに乗りたい」がかなう場所の広がりか?
事故による半身不随などでバイクを諦めた人に向けて、再びオートバイに乗ってもらい、オートバイに乗る趣味を一緒に楽しんで行けるように応援する非営利支援団体である一般社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)が、5回目となるパラモトライダー体験走行会を10月26日(月)に開催した。 SSPは、レーシングライダーとして世界で活躍した青木三兄弟の長男・青木宣篤選手と3男・治親選手が立ち上げた団体。青木三兄弟の次男、青木拓磨選手は、1998年に2輪GPマシンのテスト中の事故によって脊髄を損傷し、車いす生活を余儀なくされて4輪ドライバーに転向している。その拓磨選手に再びバイクに乗ってもらおうと「Takuma Ride Again」と題したプロジェクトを昨年スタートさせ、その延長線上にこの活動がある。その開催するパラモトライダー体験走行会は、第一回目は6月に初めて開催。それ以後毎月連続で開催している。 これまでは、一方通行で事故の危険性の低いクローズドの空間であるサーキットを、ということで、袖ケ浦フォレストレースウェイや筑波サーキットで開催してきたが、今回は初めてサーキットから飛び出して、自動車教習所という場所での開催となった。 毎回ボランティアスタッフが数多く参加しているが、今回開催場所がこれまでと大きく異なったこともあり、新たなボランティアスタッフがこれに合流することとなった。この群馬県内に開発拠点「太田サイト」がある日本ミシュランタイヤから6名、そしてこの自動車教習所に隣接する群馬県警察本部交通部交通機動隊第2小隊の8名がボランティアで参加した。
今回も2名が体験参加となった。前回の袖ヶ浦で初参加となった女性パラモトライダー、川口めぐみさんと、その9月の袖ヶ浦へ見学に来ていた関口和正さんの2名。2016年12月にバイクでツーリング中の事故で、胸椎(T12)を損傷し、腰から下がマヒ(不全麻痺)となっている車いす生活に。今回初参加の関口さんも林道ツーリング中にオーバースピードで崖から転落。肋骨骨折や肺に穴も開くような事故で、胸椎(T9)損傷であばらから下が完全麻痺という状態。
今回は、新たなスタッフが多いということで、いつも以上に事前のサポートの確認作業などを念入りに行っての体験走行会となった。SSP専属の理学療法士である時吉直祐さんからは「体験参加者の顔色など様子に注意を払いながら行動するように」との注意事項の確認も念入り。