スイッチひとつで駐車をアシスト
もうひとつ、「トヨタチームメイト・アドバンスト・パーク」という装備は、クルマの前後の切り替え(シフト操作)以外は、ハンドル・アクセル・ブレーキを自動操作し、駐車を手助けしてくれる機能だ。
カメラとソナーでクルマの周囲360度を監視しながらの作動となるので、動く対象物やポールなどを検知し、警告することに加え、ブレーキ制御も行なって接触回避を支援してくれる。また、駐車枠のない場所でも使えるので、自宅の車庫などでも利用できる点は大きい。
もちろん、運転者自らが安全の確保をすることは当然とはいえ、周囲を見まわすのに体の動きや首の動きが簡単でなく、あるいは体の向きを変える方向も制約を受けやすい高齢者にとって、狭い場所での操作となる駐車を手助けしてくれる機能はありがたい。高齢者に限らず、運転のなかでも駐車が苦手だという運転者の声もよく聞くので、気軽にクルマで出かけられる装備の一つともいえる。
走行中の運転支援機能で安全と安心を高めるクルマは軽自動車にも広まっているが、ヤリスの注文装備は、乗降や駐車といったクルマでの移動で欠かせない第一歩での手助けとなり、高齢者にとってクルマの利用を続ける可能性を広げるものになるのではないか。
体調などの状況次第では運転免許証の返納が求められるのも事実だが、まだ運転できる体調であるうちは、こうしたクルマの装備が、クルマでの外出を継続させ、それが社会との接点をもたらし、精神的にも健康に暮らす助けとなるだろう。