ファイナルステージ進出決定は次戦へ
アメリカでもっとも人気あるレースシリーズであるNASCAR(ナスカー)。そのナスカーの中でも3大シリーズのひとつ、「GANDAR RV&OUTDOORS TRUCK SERIES(トラックシリーズ)」に長年挑戦し、その2018年シーズンの覇者でもある、服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises (HRE)」は、今シーズンも同じトラックシリーズへの参戦を続けている。
最高速320km/hを超えるバトル展開
今季のナスカーシリーズは、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、シーズンの中断もあったが、この10月25日(日)には、トラックシリーズ第21戦「APEEDY CASH.COM 400」が開催となった。
新型コロナウィルスの影響で、今回も練習走行も予選セッションも行われず、決勝レースのみを行うレースフォーマットでの開催。HREの「#16 AISIN GROUP TOYOTA TUNDRA」は、抽選で3番グリッドを獲得。
この第2ステージと最終ステージのステージブレイクのピットインで、HREのクルーは、給油と4本のタイヤ交換と共に空気圧の調整とセッティング変更を施してヒル選手をコースに送り出し、第2ステージフィニッシュ時と同ポジションの8番手から最終ステージを戦うこととなった。
最終ステージ 23番手からの大挽回
78周目にスタートした最終ステージだが、89周目にはそのポジションを10番手まで落としてしまう。この日5回目のイエローコーションが92周目に出されると、ここでHREチームは給油とタイヤ交換のためにいったんピットに戻したが、再スタート前にヒル選手との無線交信で、マシンにさらなる調整が必要とチームは判断し、このコーション中にセッティング変更のための再ピットインを指示。このため順位を23番手まで落とすこととなってしまう。
残り12周でリスタートが切られると、この3台が横に並ぶスリーワイドを繰り広げながらバトルを展開。ヒル選手は141周目に2番手にポジションを上げ最後は2号車との一騎討ちとなるものの、2号車の背後では乱気流がありハンドリングが不安定になるため、追い越しが出来ないままの展開であった。
だがゴール目前の145周目、2号車が周回遅れのマシンをパスする一瞬の隙を捕らえて、ついにこのレースで初めてトップに浮上する。レースは残り2周であったが、このヒル選手がトップに立った直後に後続でクラッシュが発生し、レースはイエローコーションとなり、レースは残り2周で争うオーバータイムへと突入。
プレイオフ・ファイナルステージへの進出を確定することは残念ながらできず。ただ、ファイナルステージ進出を掛けた次戦に向け、シリーズ3位、27ポイントのアドバンテージという有利なポジションを勝ち取った。トラックシリーズは、この後、10月30日(金)にマーティンズビルで開催されるプレイオフ第2ステージ最終戦となる第22戦が予定されている。