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すべてが「貴重」! 全部「名車」! STIの限定車「Sシリーズ」の中古相場と買いのモデルとは

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: STI、Auto Messe Web編集部

最終限定車もよいが、満足度を求めるならSTIのコンプリートカーがベター

 昨年のWRX STIファイナルエディションの登場で30年の歴史に幕を閉じたスバルの名機「EJエンジン」。これによって、この至高のユニットを搭載したマシンを手にするには中古車しか選択肢がなくなった。これから購入するならば、ファイナルエディションも捨てがたいが、スバリスト(熱狂的なスバルファンの愛称)からも別格とされるSTI(スバル・テクニカ・インターナショナル)謹製のコンプリートカー「Sシリーズ」を押さえたいところだ。

総生産台数は4207台。その人気っぷりは今なお健在か?

 精度を高めバランス取りされたエンジン、ビルシュタイン/ブレンボ/レカロといった世界最高峰ブランドが奢られたカスタマイズ(装備は車両によって異なる)、意のままに操るための剛性アップパーツなど、所有欲を満たすアイテムがてんこ盛りなのが魅力だ。そのため初期型であっても引け目を感じることはなく、限定車なので長く乗ればリセールバリューも期待できるなど、購入するメリットも多い。

 Sシリーズはこれまでに「S200シリーズ」と呼ばれるインプレッサWRX/WRX(以下WRX系)が9台(ただし、S209は海外専用車なので国内では買えないので今回は除外)、「S400シリーズ」のレガシィが2台の合計11台をラインアップ。総販売台数は4207台となっている。発表即完売の実績もあり、市場に好評をもって受け入れられてきた歴代Sシリーズ。その人気っぷりはユーズドマーケットでも健在なのか? 探ってみることとした!

まずは歴代Sシリーズのスペック/車両販売価格/販売台数を数字で比較してみる。

発売年 型式 SPEC 価格 販売数
2000年 S201

300㎰6500rpm&

36.0㎏-m/4400rpm

390万円 300台
2001年 S401

293㎰/6400rpm&

35.0㎏-m/4400~5600rpm

435万円 400台
2002年 S202

320 ps/6400rpm&

39.2㎏-m/400rpm

360万円 400台
2004年 S203

320㎰/6400rpm&

43.0㎏-m/4400rpm

460万5000円 555台
2005年 S204

320㎰/6400rpm&

44.0㎏-m/4400rpm

490万9000円 600台
2008年 S402

285㎰/5600rpm&

40.0㎏-m /2000~4800rpm

535万5000円~

549万1500円

402台
2010年 R205 320㎰/6400rpm&44.0㎏-m/4400rpm 473万5500円 400台
2011年 S206 320㎰/6400rpm&44.0㎏-m/3200~4400rpm 540万7500円~ 300台
  S206ニュルブルクリンクチャレンジパッケージ   593万2500円 上記300台中100台
2015年 S207 328㎰/7200rpm&44.0㎏-m/3200~4800rpm 599万4000円~ 400台
  S207ニュルブルクリンクチャレンジパッケージ  

631万8000円~

638万2000円

上記400台中200台
2017年 S208 329㎰/7200rpm&44.0㎏-m/3200~4800rpm 626万4000円~  450台
  208ニュルブルクリンクチャレンジパッケージ   689万400円~710万6400円 上記450台中350台

ピュアスポーツの「S200シリーズ」とラグジュアリースポーツの「S400シリーズ」

 ベース車両は前述したとおり「S200シリーズ」がWRX系で、S201が初代、S202~S204が2代目、R205~S206が3代目、S207~S208が4代目だ。「S400シリーズ」のレガシィはS401が3代目、S402が4代目である。ミッションはすべてMTのみの設定だ。価格はS200シリーズは当初ベース車の140~170万円高であったが、S207以降は電子デバイスやカーボン系の軽量アイテムなどの追加で200万円オーバーへと跳ね上がっている。S400シリーズはS200シリーズよりも装備を含めて上級志向であったため、ベース車に対するアップ率は170~220万円高となっている。

 コンセプトはWRX系がピュアスポーツ、レガシィがラグジュアリースポーツの方向で煮詰められており、S400シリーズは最高出力よりも、日常域の扱いやすさを考えて、トルクバンドの広いフラットな特性を追求しているのがスペックからも見て取れる。

 また、S203以降は開発責任者が交代し、それまでのスバルが得意としていた研ぎ澄まされたライトウエイトピュアスポーツ(一部はRA-Rとして残っている)からBMWのMやメルセデス・ベンツのAMGといった欧州のパフォーマンスブランドと同じく、プレミアムコンプリートカーにマシンメイクの方向性を変更。速さだけでなく、質感も磨き上げている。

 エンジンはS402のみ2.5LのEJ25ターボで、その他はすべてEJ20ターボを搭載。ピュアスポーツのS200シリーズはすべてのモデルで300ps超え。第2弾のS202からは320psまでパワーアップ。トルクもS204以降は最終型のS208と同じ44.0kg-mに到達するなど、数値だけを見れば、どのモデルも大きく見劣りしない。

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