フランス流、イタリア流との融合を活かして
このコンテッサ900の4ドアセダンをベースにした2ドアクーペをイタリアで生産してヨーロッパで販売するプランがあり、試作されたモデルが「コンテッサ900スプリント」です。
コンテッサ900をイタリアに送り、ミケロッティがデザインとコーチワークを担当し、ナルディがエンジンの吸排気系をチューニング。試作車は完成して62年のトリノ・ショーでデビュー、翌63年の東京モーターショーで本邦初公開となりましたが、結果的に販売されることはありませんでした。
ただし、その2ドアボディは今見ても、モダンでスタイリッシュなデザインで、今から60年近くも前に、こんなにカッコいいデザインのクルマが存在したこと自体が驚きです。
そしてそのデザインは、コンテッサ900の上級モデルとして64年9月に登場した「コンテッサ1300」に活かされます。
翌65年の4月に追加設定された「コンテッサ1300クーペ」にもまた活かされ、日野の乗用車はお洒落なスタイリングで注目を浴びることになりました。
さらにこの1300クーペとは別に、コンテッサ1300スプリントのネーミングで900スプリントの発展モデルも試作され内外のモーターショーに出展されていましたが、こちらもスプリント900と同様に、生産販売されることなく、お蔵入りしています。