なんでもアリだったチューニングカー全盛期
チューニングの世界は日進月歩。ひと昔前に一世を風靡したメニューやパーツが、10年後には廃れてしまうのも日常茶飯事だ。令和に変わって日は浅いものの、すでに「懐かしの…」と呼びたくなるカスタムを紹介したい。
【発泡ウレタン】
サーキットからストリートまで大流行したメニューといえば、手軽なボディ補強である発泡ウレタンだろう。車体のサイドシルなどに発泡性のウレタンフォームを充填し、歪みやねじれを抑え剛性を高めるのだが、当時から水分を含んで腐食しやすくなるとか、事故後の修復が大変とか否定の声もあった。
また技術のあるプロが確実に作業するならともかく、素人が見よう見まねで行なうと隙間ができやすいのも難点といえる。
【湾岸ウイング】
外装でいえば平成の初期にドリフト仕様の定番だった、トランクにベタ付けするタイプの大型リヤスポイラー。「湾岸ウイング」や「湾岸羽(ワンガンパネ)」などと呼ばれることもあった。
ダウンフォースというよりは見た目の流行だったが、より性能を重視したGTウイングに取って代わられた感がある。そのGTウイングも大型なモノは法改正などですっかり影を潜め、今はローマウントで翼端板も小さい製品が主流となった。
【触媒ストレートパイプ】
法律の厳格化で消えたパーツといえば触媒ストレートパイプ。決して以前が合法だったワケではないものの、ナンバー付きのストリート仕様でも触媒を取り外したり、中身を抜いて事実上のストレートにしている車両が少なからずいた。
しかし警察による取り締まりの強化や環境問題に対する意識の高まりや、チューニング業界が一丸となって合法チューンを推し進めたことで、ナンバーなしのサーキット専用車両でしか見かけなくなった。