最終戦プレビュー・ツインリンクもてぎ 2020.11.21/22
ついに最終戦を迎えるTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2020。そのステージはツインリンクもてぎ。ブレーキにハードなこのサーキットでは、ブレーキのマネージメントをしないとレース後半に大きくタイムダウンしてしまう。オーバーテイクのチャンスを掴むためにも、ブレーキをケアしておく必要がある。
ストップ&ゴーのコーナーが多いこともあり、トラクション性能が重要になる。そういう意味ではタイヤ戦争の局面ではブリヂストンが優位にある。しかし寒いこの時季のツインリンクもてぎということを考えると、ダンロップの温まりやすさにアドバンテージがあるかもしれない。
チャンピオン争いでは、前回岡山でクラブマンシリーズ・エキスパートクラスが#56鶴賀義幸選手(BS)に決まった。ベテラン勢不在の中、大本命と言われた中でのチャンピオン獲得は、見事という他はない。もっとも、シーズン序盤の彼自身によるエラーがなければ、十勝で決まっていた可能性は高いのだが……。
プロフェッショナルシリーズのチャンピオン争いは、3人に絞られている。ポイントリーダーは#87久保凜太郎選手(BS)で、10.5ポイント差で#1谷口信輝選手、19ポイント差で#34佐々木雅弘選手(BS)となっている。
久保凜太郎選手はかなり優位にあり、3位以上であれば無条件でチャンピオン決定となる。逆にノーポイントの場合には谷口信輝選手が5位以下である必要がある。もちろん過去4度のチャンピオンを獲得してきた谷口信輝選手には経験があり、プレッシャーがない。
もうひとつ付け加えると、同時開催となるスーパー耐久へエントリーしておらず、ダブルエントリーの久保凜太郎選手に対してアドバンテージとなるはずだ。
オープンクラスのチャンピオン争いは2人に絞られている。#121西澤嗣哲選手(BS)に対して、7.5ポイント差で#559岡田整選手(YH)が追っている。オープンクラスだけは5戦中3戦の有効ポイント制となっているのだが、2人とも2戦しかポイントを獲得しておらず、今回の最終戦のポイントはそのまま上乗せされる。西澤嗣哲選手は5位以上で、チャンピオンが決定する。
残念なお知らせとしては、#121蒲生尚弥選手(BS)の名前がエントリーリストに存在しないことだ。前戦岡山のレース後車検でレギュレーション違反が発覚して失格に。さらには、今シーズンのシリーズポイントの剥奪、そしてネッツ兵庫レーシングチームとともに、1年間の出場停止となってしまったのだ。
チームの公式発表によれば、リヤのクロスメンバーのマウントブッシュを交換する時に、その組み付け精度を高めるためにボルトにアルミテープを巻きつけて作業したが、作業終了後に巻きつけたアルミテープを外すのを忘れ、そのままレースに出場してしまった。それがレギュレーションで禁止されている部品の追加に相当するというもの。
つまりマシンのメンテナンス作業上のミスだ。おそらく性能向上はないと思われるが、効果の有無はレギュレーション違反とは関係ない。パーツが付いていたという事実だけが問題になる。
今後1年間、蒲生尚弥選手の姿を86/BRZレースで見ることができないのは残念だ。ただしネッツ兵庫レーシングから参戦していた#813坂裕之選手や#186勝木祟文選手は、チームを変えてエントリーしている。
またエントリーリストに名前が入っていても、岡山大会でのクラッシュの影響で参戦できない、といったようなドライバーも居るようだ。
感染症対策の影響を受け、大幅なスケジュールの変更、8戦から5戦への大会数の削減などが行われた今シーズン。その最終戦となる第7戦ツインリンクもてぎは、11月21日(土)~22日(日)に行われる。同時開催となるスーパー耐久第4戦との兼ね合いもあり、21日(土)午前中に全ての予選、そしてオープンクラスの決勝が行われ、22日(日)午前中にエキスパートクラスとプロフェッショナルシリーズの決勝が行われる。