【テクニック】一体どれくらいの腕があれば通用するのか?
eモータースポーツもリアルスポーツと同じで、一定以上のレベルに達していないと予選はともかく、本大会には出ることすらできない。では一体どれくらいの腕があればイケるのか?
「どのくらいと言葉にするのは難しいですね(笑)。トップクラスの選手ともなると、毎日欠かさず数時間は練習して腕を磨いている。それに応じてどんどん大会のレベルも上がってきていますから。ただ各地のコミュニティが開催しているような小規模な大会でしたら、そこまでシビアではなかったりします。まずはスポーツモードでプレイして、DR(ドライバーズレーティング)を上げていくのがいいでしょう。自分がどれくらい上手くなったかの目安になります」と北浦さん。
最近はプロのレーサーがeモータースポーツでも活躍しているが、彼らは単にその知名度から優遇されているわけではない。実際に上手いのだ。
「これはeモータースポーツ特有で、リアルとバーチャルで共通している部分が多い。だからリアルで速ければバーチャルでも速く、バーチャルで速ければリアルでも速かったりします」。
たとえば昨年のスーパーGT・GT300クラスでシリーズチャンピオンに輝いた福住仁嶺選手や、全日本フォーミュラ3選手権で活躍している大湯都史樹選手は、eモータースポーツ業界でも「かなり速い」と有名だ。逆にイゴール・フラガ選手のように、eモータースポーツで実績(ネイションズカップ初代王者)を残してからリアルレーサーになったケースもある。
今後もプロレーサーとeモータースポーツの二刀流選手や、eモータースポーツ出身のプロレーサーも増えてくると思われる。いつかリアルレーサーになってみたいという人は、まずは低コストで練習できるeモータースポーツからスタートするのもアリかも!?
【賞金】海外では高額賞金もあるけど日本ではどうなの?
eスポーツの大会では賞金が出ることもある。海外では数百万円~数千万円単位の優勝賞金が用意されることも珍しくない。ただ日本では景品表示法等、法律上の複雑な問題があり、これまでは高額賞金を出すのが難しい環境だった。しかし最近はそうした問題も業界の努力によってクリアになりつつあるという。
「12月から始まる『AUTOBACS JeGT GRAND PRIX 2020 Series』では、賞金総額が500万円と国内最高額になっています。個人戦の優勝賞金は100万円、チーム戦の優勝賞金は150万円、残る250万円は準優勝・3位・その他個人賞に振り分けられます」と北浦さん。
野球やサッカー、ゴルフといったリアルスポーツの世界にはプロがいるし、モータースポーツも同様だ。彼らはプロ選手としての報酬や賞金を得て生活している。今後はeモータースポーツもそうしたジャンルの1つに数えられるようになるかもしれない。
「お金がすべてではないのですが、やはり高額賞金がもらえるとなれば話題になりますし、興味を持つ人も出てくるはず。そうすることでeモータースポーツ人口を増やし、業界の活性化に繋げられたらと考えています」。
オンラインでゲームできる環境さえあれば、誰でもスタート地点には立てる。前述の通り、eモータースポーツはリアルモータースポーツ、ひいてはクルマ業界とも親和性が高い。若者のクルマ離れが叫ばれて久しいが、eモータースポーツをキッカケにクルマ業界の「若返り」も期待したいところだ。
【取材協力】
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