キャンプは夏から冬へ? 混雑回避でゆとりの休暇を
キャンプといえば真夏のイベント感が漂うのは子供時代にサマーキャンプを経験するからでしょうか。もちろん春には春の、秋には秋の魅力があるのは当然として、一見、寒くて無理でしょう、と思いがちな冬のキャンプにもあなどりがたい魅力があります。
昨今、この「冬キャン」人気が増加しているらしいとの情報もチラホラ。大阪税関がまとめた全国テント輸入量が金額で前年比1.4倍の118億円と過去最高に達したとの報道もあります。(キャンプブームでテント輸入急増、過去最高を更新か…密避け「ソロ」「冬」人気/読売新聞 2020年10月26日)。報道によるとコロナ禍で混雑を避ける傾向が強まりソロキャンプや冬キャンプに人気が集まっているようです。
今年の夏はキャンプブームの後押しもあってコロナ禍の巣ごもりから密を避けたアウトドアが人気となり、一方で予約が取れないなどキャンプ場の混雑ぶりがニュースにもなりました。冬のキャンプ場は休業する事業者も少なくないのですが、寒空の下でキャンプをする人はそれほど多くなかったため、キャンプ場が空いている冬季に薪ストーブをテントにインストールして楽しむスタイルにも注目が集まったようです。
焚き火、ストーブ、鍋料理、毛布 暖かさがうれしい冬キャンプの魅力
冬キャンプのいちばんのメリットは虫がいないことです。かつて虫捕り少年だった筆者でさえ、クモ・蛾・アブ・蚊・ヒル・ゲジ・ムカデにはうんざり。虫嫌いな人ならなおのことでしょう。冬はこの虫攻撃がありません。夏のキャンプで蚊取り線香焚くのもそれはそれで趣がありますが、ビールに蛾が泳ぎ料理の皿に小虫が落ちる。暗くてよく見えないからこれも旨味と気にしない(わけにもいきません)。
夏キャンプの最大の思い出は、眠れないほどの熱帯夜でしょう。焚火と炭火で焼き上げた肉を汗だくで頬張る。そこにクーラーボックスから取り出したビールを流し込んで冷却。やがてスコールが来てタープ下に避難。時に踏んだり蹴ったりです。
しかし、冬は太平洋側は概ね快晴、放射冷却で冷えますがTシャツが汗でぐしょぐしょになることもありませんし、大気はカラッと乾燥しなにより焚き火が暖かくて嬉しい。鉄鍋のシチューがありがたい。火にかけたケトルで熱い焼酎のお湯割を作って啜る。見上げれば満天の星空です。周りにキャンパーもいないので薪の爆ぜる音と静寂が支配する漆黒の夜。音の出ない灯油ランタンの仄暗い灯りがちょうど良い照度です。ぜひスマホの電源を落としてオフライン。ネットから離脱して自然に還ることをお勧めします。