いっときはターボの日産とDOHCのトヨタの戦いだった
また、4気筒系も昭和53年排出ガス規制対策の立役者となったNAPS-ZのZ型エンジンのターボ仕様を、910ブルーバード、S110シルビア/ガゼールのスポーツモデルに搭載。
トヨタが高性能エンジンをDOHCに集約させたことに対し、日産はターボ化で対応していた。
しかし、さらに時代が進むと、トヨタはセリカ/カリーナ/コロナの各シリーズに1800ccの3T-G型DOHCターボエンジンを搭載。「鬼に金棒」とDOHC+ターボを前面に打ち出す戦略でSOHCターボの日産に対する優位性を謳った。
だが、日産もスカイラインRSターボで4バルブDOHCターボ(FJ20ターボ)を実用化。
「史上最強のスカイライン」と名乗り、トヨタとのメカニズム競争に決着をつけていた。
今では、ダウンサイジングの言葉に集約されるよう、ターボチャージャーはエネルギー効率改善のキーワードとして捉えられている。
しかし日本で初めて実用化されたときにも、ターボ化によるハイギアード化で得られたある特定領域での燃費性能が良いということを盾にして、運輸省の認可を取得した、というのがなんともおもしろいエピソードだった。