車検・整備の要注意ポイント
次に福祉車両の車検時の注意点につても聞いてみた。
「福祉車両はリフトなどの機器が搭載されているので、車検時にもメンテナンスや福祉機器関連のチェックが必須となります。例えば機器によって積載重量が増しているのでブレーキパッドが通常よりも減りやすいです。車検前にはしっかりチェックしておく必要があるでしょう」
ブレーキパッドの残量などは車検に関わる項目なので、一般的なクルマよりも重点的にチェックした方が良いだろう。
さらに福祉関連機器のチェックも欠かせない要件だという。
「リフトやスロープなどの機器は当社では車検に出す前に自社でチェックしています。例えばリフトであれば可動部分に小さな石が噛み込んでいることもあります。現状では大丈夫でもトラブルの元となるのでキレイに清掃しておくようにしています。出先でリフトが急に動かなくなったというケースも実際に起きているので、トラブルを防ぐためには日頃のメンテナンスは大切です」。
当然ながら車検項目には含まれていない項目でも、安心して運転するためには車検時にチェックしておくのが重要。トラブルを未然に防ぐという意味からも、福祉機器関連のメンテナンスは忘れずに実施しよう。
このあたりの福祉機器関連のメンテナンスに関しては福祉車両を購入したところでお願いするのが安心だ。車検は一般的なディーラーなどでも受けることができるのだが、すべてのメカニックが福祉車両の知識があるとは限らないからだ。
「福祉車両の知識のあるスタッフがいるところで車検をお願いするのが安心でしょう。福祉車両を購入したお店で車検をお願いすれば、先に紹介した例のような福祉車両特有メンテナンスポイントも知っていて、事前に点検整備しておいてくれるので安心でしょう」
このように福祉車両の車検は、基本的には普通車と同じ手順で行なえば良いことがわかった。ただし同時に行うメンテナンスという面では特有の項目があるので、福祉車両に詳しいメカニックがいる店舗やディーラーで車検時実施するのが得策のようだ。今回取材したユーイングなど、福祉車両を購入した店舗にお願いして、事前チェックを受けるというのが賢い車検の受け方と言えるだろう。
[取材協力]
ユーイング
神奈川県小田原市桑原627-1
TEL.0465-39-1313
http://youingnet.com/