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「見える」ことは「安全」に繋がる! 高齢者にオススメの「見切りと視界がいい」クルマとは

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、Honda

視認性の高い現行車11台と共に見る「視界の広い」クルマの中身

 初心者はもちろん、何年運転していても、運転が苦手と感じるドライバーもいるはずだが、そんな人たちの救いになるのが、とにかく前後左右の見切りがいいクルマである。それだけでも運転がしやすく感じるし、なにより安全でもある。

 逆に、超人気のクルマでも意外に後方視界が悪く、仮にバックモニターがあったとしても、走行中はそれが機能せず、後方視界が悪い……と感じてしまうクルマもあったりする。

 その筆頭がプリウスで、空気抵抗やデザイン性を重視するあまり、リアウインドウが薄く上下2分割されていて、スカッとした視界が得られないのである。後方から接近するパトカーが見えにくい……なんていう意見を言うユーザーもいるほどだ。

 では、どんなクルマが前後左右の見切りのいいクルマなのだろうか。ひとつは、ドライビングポジションの高さだ。それだけで、視界は爽快。上から目線になり!? 車体前方直下の見切りも良くなり、安心感が増すのである。

 つぎに、前方よりも気になる斜め前方視界だ。これがいいと右左折時などの安全、安心感が高まる。大きな三角窓があったり、Aピラーが細めでかつ立っていたり、ドアミラーがドア付けでAピラーの付け根部分の死角が少ないことも、運転のしやすさに直結する。

 左右の見切りに関しては、車幅が狭いほうがいいのは当たり前。さらに、ドライビングポジションに対して左右ドアのショルダーラインが低めであれば、車幅感覚をつかみやすくなる。

 後方視界に関してはもちろん、リアウインドウの大きさ(特に天地の広さ)が大切だが、それ以上にリアウインドウの近さが絶対条件。ここが遠い(クルマの全長、室内長が長い)と、ルームミラー越しでも直視でもリアウインドウの視界が遠く、見にくく感じてしまうのだ。さらに言えば、Cピラーが太すぎると、斜め後方の視界は悪化。狭い駐車スペースにバックで駐車する際などに苦労する(モニターがない場合)。

日本で最も売れている「スーパーハイト軽」は視認性でも優位だった

 そこで前後左右の視界、見切りがいいクルマを探してみると、そもそもコンパクトで扱いやすい軽自動車の中でも、N-BOXに代表されるスーパーハイト系が圧倒的に優位。何と言っても前席の着座位置がミニバン並みに高く、全高に余裕を持たせていることで、Aピラーも必然的に立ち気味になり、大きな三角窓も付く(ダブルAピラーと呼ばれたりする)。加えてウインドウ面積も広く、見通しがいい。フロントウインドウは天地に広く、ボディサイド面が直立した大きな平面ゆえ、前後サイドウインドウの面積も大きい。

 バックドアはほぼ垂直気味に立っているから、リヤウインドウの天地幅も大きく取れる……という理屈である。だから前進時はもちろん、カーブや交差点、バック、駐車のいずれのシーンでも、ボディの見切り性が良く、運転しやすいのである。このジャンルの軽自動車の販売台数が圧倒的に多い理由のひとつと言っていい。

 具体的にはN-BOXやスペーシア、タントにルークス、ekスペースなどが、ボディサイズ×小回り性の良さもあって、全方向の視界、運転のしやすさ抜群の軽自動車と言っていい。なお、N-BOXには「ピタ駐ミラー」なる、駐車とバックを用意にしてくれるサイドビューサポートミラー(現在は改良型で見やすくなっている/交換可)と後方視角支援ミラーまで用意されているのだから文句なしだろう。

 加えて、クロスオーバー軽のハスラーなどもAピラーが立ち気味で、インパネの奥行が短く(ここが長いと車体前方の車両感覚がつかみにくくなる)、前方はもちろん、斜め前方の視界に優れている。

「スーパーハイト軽」の視界の広さをもしのぐコンパクトカーがあった!

 が、それ以上に視界の良さを、乗り込んだ瞬間に感じさせてくれるのが、コンパクトカーのフィット。薄く(低く)、ほぼ水平のすっきりしたインパネデザインが前方視界の良さを演出しているのと同時に、斜め前方視界をまったくジャマしない(その存在に気づきにくいほどの)極細Aピラーによる斜め前方視界の良さは圧巻だ。

 実際に運転席に座ってみれば分かるが、まさにクルマらしからぬ「ロマンスカー(小田急電鉄の特急車両)」最前列のようなパノラマ視界。新鮮な運転感覚をもたらしてくれるのである。スーパーハイト系軽自動車やミニバン、SUVのような高い着座位置ではないものの、心地よい運転感覚を、全方向の視界の良さで実現しているというわけだ。

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