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サーキット初心者「女子」がいきなり富士スピードウェイに挑戦! 緊張と快感のライブリポート

ド素人女子の「いきなりサーキットデビュー」記

 皆様こんにちは。70ランドクルーザーとキャンプをこよなく愛す、自動車ライターの矢田部明子です。そんなアラサー女子の私が、今回はNAPAC(日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会)主催の富士スピードウェイ走行会に参加してきました。

 サーキット走行に関しては初心者どころか、ぶっちゃけ高速道路でも80km/h以上のスピードを出すことは滅多にないというスペックの持ち主です。そんな私が「制限速度のないサーキットを走るなんて大丈夫なの?」と、不安と緊張により前夜は一睡も出来ずバッドコンディションでの参加となってしまいました……。

 また、このような走行会自体も初めてで、右も左もわからぬまま「サーキットを走ってみたいからとりあえず行ってみた」という表現がしっくりくる感じです。「走行会に行ってみたい」「サーキットを走ってみたい」と思っているけど今一歩踏み出せない、という方の参考になると嬉しいです。

「NAPAC走行会」とは?

 そもそも「NAPAC」とは「ASEA」と「JAWA」の2事業で構成された団体で、アフターパーツの振興を目的として毎年、サーキット走行会を開催しています。エントリー料金は1時間枠が2万1000円(早割1万9000円)、2時間枠が3万9000円(早割3万6000円)と決して安くはありませんが、富士スピードウェイの本コースを走行できるとあって、人気が高く予約がすぐに埋まってしまうこともあるのだとか。31回目の開催となる今回は、ソーシャルディスタンスを守りつつも多くのユーザーが参加しました。

【現地の受付】

 当日の流れとしては、サーキットに到着したらまず受付へ行き、書類やゼッケンを受け取ります。書類には注意事項や走行会の詳細が記載されているのでしっかり目を通しておきましょう。今回のエントリー費には、富士スピードウェイ施設内で走行中に起きた事故によって身体に被った障害に対して見舞金が支払われる「FISCO 1日保険(900円)」の代金が含まれています。走行会によっては保険加入が任意となるケースもありますが、万が一の時のことを考えて保険に入ることをオススメします。ほかには、エントリー時にプラス3000円の料金で、タイム計測器を貸し出してくれますよ!

【ドライバーズミーティング】

 冒頭でも触れましたが、走行前のブリーフィングでプロドライバーの方が注意事項や走り方のコツなどを教えてくれます。こういう機会は滅多にないので、メモを取ってらっしゃる方も見受けられました。

 私は難しい用語は一切わかりませんでしたが、サーキット走行の基本ともいえる旗の種類など、初心者といえども覚えておくべきルールは把握しました。

【走行前準備】

 今回の走行会は、編集部のレヴォーグをお借りしてエントリー。安全のために、走行前の車両点検は念入りに行ないました。タイヤの空気圧、エンジンオイルやその他の油脂類が規定量であることも確認。高負荷・高回転となるサーキット走行の場合、オイルが足りないとエンジンの焼き付きやブローということもあり得ます。

 ほかには、走行中にフロアマットがブレーキペダルの間に挟まると危険なので運転席のマットを取り外し。スマホやドリンク類なども、クラッシュした衝撃で飛んでしまう可能性があるのですべて車から降ろしました。

 服装は長ズボン&長袖、動きやすい靴、フルフェイスのヘルメット、グローブです。 私の場合、ヘルメットはいつもスクーターに乗るときに被るものを持参し、グローブは滑り止めが付いている1000円くらいの一般作業用のものをホームセンターにて購入しました(写真は編集部に用意していただいたレーシンググローブです)。本格的な装備は揃えなくても、十分対応できますよ。

【コースイン・慣熟走行】

 準備ができたら、待ちに待ったコースイン。プロドライバー先導のもと、50km/hくらいでゆっくりとコースを走る「慣熟走行」が始まります。

 この時、アヒルの行列のように前車と同じライン取り&間隔をあまり空けずに走るように指導がありました。そうすることで、先頭のプロドライバーがどういう風に走っているのかが列の後ろの人にもわかるからだそうです。

 私は慣熟走行があって本当に助かりました。富士スピードウェイはコース幅が広いので、これがなかったら皆さんの邪魔にならないように左端を永遠と走っていたと思います(笑)。

 ほかには、ブレーキを踏む場所も確認出来ました。カーブはブレーキを踏まず攻めるのかな? と思っていたのですが、カーブ直前でしっかりとブレーキを踏んでいたので真似しました。この先導付きの慣熟走行があることでコースにも慣れ、緊張が解けていきました。

【フリー走行】

 いよいよ走行開始です! 「私でもいけるんじゃないか?」と淡い期待を持っていたのですが、後ろから「ヒュイィーーーーン」という音を立てて電光石火のごとく抜かれていきます。慣熟走行とは比べ物にならない速さにビックリ(当たり前)。そして怖い。ただ、ドライバーズミーティングの時に「道を譲ろうと避けたり、速度をいきなり落とす方が危険なので気にせず走ってください」と言われたのを思い出し、思うがままに走りました。

 すると両サイドからスイスイ抜いて下さるので危ないと感じることはなかったです。初心者のクルマは、リヤのナンバープレートに赤いテープを貼り目立つようにしてあるので、私のクルマを無理なく抜いていってくれます。

 最初こそスピードに慣れませんでしたが、余裕が出てくると慣熟走行の時のライン取りをしながら走ったり、前にいる車両と同じラインで走ってみたりと、いろいろチャレンジすることに成功。なんと、ストレートでは180キロ以上出してみました。緊張や不安が解けるのには少し時間がかかったかもしれませんが、「走るってこんなにも楽しいんだ!」とワクワクできたのが嬉しかったです。

 なによりも、スーパーGTなどでプロレーサーが実際に走ったコースを自分が走っているというのが信じられなくて……感動。ブレーキの踏み方など走行会で得た運転スキルは、日常運転に生かせそうだなと思う部分もあったので、勉強にもなって、良いことづくめのフリー走行となりました。

【参加記念品プレゼント&豪華景品抽選会】

 走行会の締め括りとして、NAPAC会員企業ご提供のエンジンオイルや洗車グッズがもらえる抽選会がありました。 なかには豪華景品もあり、購入すれば何十万円もするタイヤが当たった方はガッツポーズで喜んでいて会場からは笑いが起こっていました。ひとっ走り終えて、肩の力が抜けたのか、朝のドライバーズミーティングとはまた違う和やかな空気でした。

 走行会に参加した記念としてもらったハンドタオルは大切に保管します。

【走行会に参加してみて】

 速く走れたかは別にして、走行会は私のような「初めてサーキットを走る」という人でもメチャクチャ楽しめます!  しかも、今回は取材を兼ねていたので特別にレーシングドライバー柳田真孝選手が運転するGT-Rの助手席で、本コースの同乗走行を体験させてもらうことに。「さすがプロのドライビング!」と、呆気にとられたまま数周があっという間に終わってしまいました。

 もし不安なことがあっても運営のスタッフさんに聞けばいろいろ教えてくれますし、参加されている方々もコースでは上手に抜かしてくれるのでマイペースに運転できます。

 大会後、「昔の僕を見ているようでした(笑)」と声をかけて下さった方もいました。参加していくと知り合いが増えていくし、走り以外の情報交換ができるのも◎。車両もゴリゴリにカスタムしていなくてもOKですし、ドライバーの装備もこだわらなければ出費を抑えながら揃えることが可能です。

 また、参加するまでは「男性ばかりで女性が浮くのでは?」「速いタイムを出すためにピリピリしたムードなのでは!?」と心配していましたが、わりとアットホームな雰囲気です。友達同士のみならず、お一人様も多く見られ、肩肘を張らずに参加出来るのも嬉しいポイント。

 余談ですが、今回の走行会が楽しくて再来週末に名古屋に行ってサーキットを走ってきます(プライベートです)。次回、少しは速く走れるように修行してきます。

 話が逸れましたが、とにかく、サーキット走行をしてみたいと思っているなら1度チャレンジしてみてほしいです。絶対に楽しめますから!

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